コップ一杯の宇宙






彼女が見ている写真には彼女が写っている。
胸のところに「田中」と書かれた体操服を着ている。
ブルマからのびる生足はまだ日焼けをしていない。
写真の中の彼女は男の子の格好をしている。
ブルマを下ろして便座に座る。
トイレのドアの鍵をかける。
男の子の格好をしている彼女は学ランを着ている。
『ガスステーションの作り方』という本に挟んであった写真だ。
写真は栞の代わりに挟まれていた。
栞は左手の中指と薬指を口の中に入れる。
フェラチオのアナロジーで鼻から濡れた息が漏れる。
ブルマと一緒に足首まで下ろされたショーツの股の部分が湿っている。
学ランを着た田中が自慰をしていた。
写真の中で精悍な顔立ちが快楽に歪んだ。
硬くなった栞自身を左手で握ってクラスメイトの体操服姿を妄想する。
充分に指へと唾液をいきわたらせる。
体操服をめくりブラを押し上げてすでに硬くなった乳首に唾液を擦り付ける。
隣の席の女の子の乳首に陰茎をこすり付ける妄想をする。
「田中」の字は服がめくりあげられたせいでひしゃげてしまっている。
いつのまにか学ランを着た男の子の右手には包丁が握られている。
栞は再度指を湿らせてから股の間に指を持っていく。
体育の前には家庭科で胡瓜や茄子をざく切りにした。
へたの部分をきちんと切断した。
−−栞ちゃん、料理上手だね。と声をかけてきた同じ班の女の子の未発達の乳房に妄想の中で射精する。
右手で乳首を弄りながら唾液を伸ばしていると体操服がずり落ちてきた。
左手の動きがはやい。
湿り気を帯びた音が加速する。
ふぐりが痙攣してもう少しで精液が出そうだ。
写真の彼女は男の子の格好をしている。
足首にまるまったブルマの紺色が柔肌の白さを強調している。
右手が振り下ろされ陰茎の根元に包丁がつきたてられる。
便器に金属の先端があたる音がして左手には栞自身が赤黒く屹立したままふぐりと一緒に握られている。
左手の中指と薬指が膣の中に入ってくる。
生理のため愛液に血が混ざり便器は真っ赤だ。
それを咥える。
飲み込む。
栗の花のような黴臭い匂いが食道を下る。
鉄の味がする。
短い絶叫の後トイレットペーパーであたりの粘液をぬぐう。
ブラを整えショーツとブルマを履き体育の授業の準備をする。
写真をびりびりに破り赤くなった紙とともに捨てる。
レバーをひねり水を流し彼女の痕跡が下水へ消えていく。
鍵をあけトイレから出て誰もいない家庭室へむかう。
切断された胡瓜や茄子と一緒に見慣れた陰茎が干からびている。
食器棚からコップをとり水道水でいっぱいにする。
一息で飲み干すと左手の中指と薬指を口の中に入れる。
フェラチオのアナロジーで鼻から濡れた息が漏れる。
−−栞ちゃん、料理上手だね。
蛇口を出しっぱなしにしながら込み上げた胃液を吐き出す。
真っ白な精虫が排水溝に向かって泳いでいくのを涙目で見ている。
どいつもこいつも似ている。
窓から差し込まれた夕日が空になったコップの中で死んでいく。
だからいつもあしたは月曜日だ。








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