[さかさバケツ]






うちならせ
うち ならせ
家のなかゆれる
あしもとに ころがっている
かかと
蚊と
おおいかぶさった
(しめっぽいのはきらいじゃないねえ)
みずたまりに
いきものいきものがはっせいする
声を出す
うまれる
宇宙を作り出した彼みたいな気分を!
まずみずたまりをつくりだす
〈  〉だった


記号を押し固めた泥
それがすべてであって
すべてが〈  〉であったころのような
「記憶
「臍の緒
「いいじゃないか、べつに  拘束

彼方のせいではないのです
いつでも近くに いたからといって
その靴底に  触れている部分に
氷魚
日の
光が
あたらなかったとしてもね
まっすぐあるきつづけると|||壁
そうだ ここがみずたまりだったのだ
するとあの天井は


う ち
ならされてしまった
鼓膜
このしんどう(震えのみで構成されているような
海)
かくりされている かくり
だからこその希望!
この水溜が
蒸発するスピードで
((抜殻があるということは ここにはいないのか
その  どろどろしているものは 何))

閉鎖されちまっている
あの そこの 屋根みたいなもののせいで
ここには雨がふらないねえ










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