[ふたつがひとつとひとつに vol.1.02]
だれかを抱けず 抱かれることもなく
あの夜をまた くりかえせば
なくした匂ひをしる
改札はひとつ (ひとつもない?)
季節がめぐり おだやかに私を
おいていけば 色のおもさは
ひとりをはげしく包みこむ
過去を惑う手 軽やかに舞えない
金属の揺りかご ゆり動くこともなく
ゆらり ゆらめく煙草の火
鼻孔は拒絶をしらない
だれを忘れれば (失うものは
想い出だけか?) 胸の部屋さえも
煙りはみたし 私がまた充たされない
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