［さくら祭り］
トイレ用洗剤を待ちに振りかけよう
白線の内側をきれいに掃除して
足を踏まないように気をつけながら乗車する
流されていくように発射された線路のきしみ
眠気を誘う振動で電車に乗っていることを思い出す
横滑りする外は窓が移動しているだけだって
白癬の内側がきれいになる
流された水の行方を思うよりも早く
吐瀉物は胃壁をぐっちゃぐちゃにする
はなみず
（すっぱい）
つり革を持っていてもこけてしまいそうなブレーキをかけられたときの不快感で
華麗に吐く
（（吐瀉吐瀉
マーガリンで舗装されたブルーシートにとびのって
視界を灰色に染めたい
（ええ、どうせ「さくら色」なんてわかりませんよ色弱ですから
煙草の火をつけて満足に吸わないままに燃え尽きるのを眺める
つもった花びらはまだ熱を持っているようで
地球の養分を存分に吸った大樹はえらいね
って酔っ払いが吐く
根元に、吐く（灰色の胃液を吐いている気分の乗り心地の悪さ
酩酊した視界は微妙な振動で
ほら、
気づけば視界が回っている ここは
ばなびべ
花冷えかよ、そんな鼻づまり
ねぇ、なんでさくらって散るの？ って
どうせ吐いてんだろ
ぬかるんだ土の上
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