[キャストレイションコングラチュレイション]






鳥が落ちた
ヒューストンはオノマトペだと思っていたし
行き先を告げないエレベータは
キライ
さっきまで青かった空が陰ってきて
無数のくちばしが降ってくる
降りつもる色とりどりの鳥鳥にドキドキ
ichimarukyuの向こうではペンギンが集中豪雨みたいで
空を紺色に覆ってる
裏声で悲鳴をあげた会社員の頭に
オナガドリがつきささった
パンクロッカー顔負けのヘッドバンギングをかまして
即死
そんな垂直落下の一四時ちょっと過ぎ
ヒュー
  ーー
   ーーーストンッ

落ちてきて
眼の前でダチョウのくちばしが地面にささって抜けない
(エレベータ・ガールとヤリたいなあ、緊急停止ボタンを連打して、事務的に制服を
 脱がせたい/脱がせられたい、泣黒子がセクシイ)
スクランブル交差点では
鉄傘を忘れた歩行者が
次々と脳天ぶちこまれイカされている
まさに天国
鳥鳥鳥は一鳴きもしないで
クラクションの音だけが鳴り響いていた
(gionshoujaの鐘は鳴る? その次にあの鐘を鳴らすのは彼方? ガール/ボーイ・
 エレベータは動けない、晒された陰茎は小気味よく勃起して、そのてっぺんに唾を
 吐きたい/吐かせたい/吐かされたい)
鉄傘が景気よくくちばしを打ち払い
カンガラカンと音をたてる
かっとう、かっとう、とハイヒールを啼かせる
くちばしに昇天させられ
下半身のふくらんだ死骸や
うまくイカせられず
地面に激突した鳥鳥鳥鳥を
かっとう、かっとう、と踏み潰す
鉄傘をたたみ一列にならんで
手にはハサミを持っている
かっとう、かっとう、と近づいて
少しずつふぐりに刃を入れます
(階数ランプに明かりはつかない、動かないエレベータのなか、一〇八人の入刀、次
 のハサミで切り離し成功、二つの玉が脱ぎ捨てた制服上に落下、精液は詣でない、
 付黒子が外れて鈴口より浸入)
心音やるかたなし
ほつれた陰茎は唾液まみれのまま
交差点の真ん中に突き刺さった
クラクションが消え
鳥鳥鳥鳥鳥も降りやんで
ドライバはみな車から降りると
白い礼服に着替えた
一つの鉄傘がゆれている
かっとう、かっとう、と口ずさみ
いくつもの内臓で覆われた
アスファルトを闊歩する
落下中心地で屹立しているエレベータ・ボーイ
がハイヒールで踏みにじられ
けたたましい射精音が一瞬だけ響く
夥しい数の白い運転手が空を仰ぎ
ロケット打ち上げのカウントダウンをする
5・4・3・2・1・0!
思い切りジャンプしたら
全身が発光して上昇
し続けて
空気摩擦の末に焼尽
みながみなハイヒールを脱ぎ捨て
主人のいない車の運転席に鉄傘を突き立てる
生鳥の腐爛した臭気に
吐き気を催すよりも先に
交差点はとても静か
とても素敵







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