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[1] 一夜
By きょうこ
03-20 08:20
「はぁ〜!ああぁ…す、すごい…」
女は顔と両手をシーツに押し付けて、身体を前後に波打たせてる。
細くくびれた腰から緩やかなカーブを描くその先には、白桃のような尻が揺れている。
桃尻は日によく焼けた男の手がしっかりと支え、何かを貪るように吸っている。
それは長旅で喉を渇かせた馬車馬が、ひたすら水を飲む光景にも酷似している。
男の顔は割れた桃尻に密着し、高い鼻を谷間に押し付けて、舌を挿し込み、チュウチュウと音をさせて吸っている。
美しい女の秘境から限りなく溢れる清らかな水は、男にとっては極上の美酒なのかも知れない。
(ジュルジュルジュル…)
「いやぁ…そんなに音を立てて吸わないでぇ…は、恥かしいわ…」
「ううっ…オレ、もうがまんがきねえや。じゃあ、行くぜ。」
(ズニュ…)
「ああぁ〜!いや〜ん!」
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[2] By きょうこ
03-20 08:21
シーツこそ糊の良く効いた清潔なものであったが、天井のクロスは薄汚れ、無造作に置いた花瓶には色褪せたドライフラワーが飾られていた。
しかも側壁は時代遅れを感じさせる総鏡張りで、風呂場も透明ガラスが嵌め込まれ向うが見える設え(しつらえ)になっていた。
そんな安ホテルにはあまりにも不似合いな垢抜けた女…
名前を本上きょうこ(25歳)と言う。
職業…女優…「雲の上の恋人たち」「不似合いな果実」など多くのドラマに出演し、今や押しも押されもしない地位を築き、最近、新しいドラマの収録も終わったばかりであった。
メディア上は飛ぶ鳥を落とす勢いのきょうこではあったが、私生活では決して裕福とは言えなかった。
先月、Jリーガー・大阪ダンバの***との熱い恋もついに終止符を打った。
お互いの多忙による疎遠が直接の原因であった。
きょうこは新しいドラマの収録が終わり、一段落ついたところで数々の撮影会などは一切断り、旅に出た。
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[3] By きょうこ
03-23 07:51
気ままなたび…どこでも良かった。
ひとりでぶらりと旅をしたかった。
飛行機は大きな翼を広げ、北へ飛立った。
空港から降りて、在来線に乗ったきょうこは、行く宛てなど決めてなかった。
何気なく海が見たくなった。
北の最果ての海…
知らない漁港に着いた。
質素な商人宿が一件あるだけだった。
宿帳には適当な名前を記した。
すれ違う人々は、サングラスを掛けて女が、まさかTV界を賑わせている本上きょうこであろうとは、判ろうはずもなかった。
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[4] By きょうこ
03-24 07:53
ただ、その垢抜けた都会的ないでたちが一際浮いて見えた。
夜が更けると港の夜は実に静かだ。
都会ならば一歩出ると、あらゆる店が軒を連ねてる。
港で唯一のコンビニさえもオールナイト営業ではなく、すでに閉店の準備を始めている。
遠くに赤提灯が見えている。
きょうこは、何気に居酒屋の暖簾をくぐった。
「いらっしゃい!」
威勢の良い声が飛んで来た。
店は賑わっている。
居酒屋と言えば、ここ一軒だけしかないのかも知れない。
決して広いとは言えない店内はすでに満席状態だ。
きょうこは、空席を探した。
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[5] By きょうこ
03-24 07:54
客のほとんどが地の船乗りや漁師のようだ。皆、よく日焼けしている。
ここではあまりにも不似合いな光沢を放つ美女が入って来たことで店の空気が変わった。
賑わっていた店内に一瞬だが静まり返ってしまった。
多くの視線がきょうこに注がれている…といっても過言では無い。
人に見られることには慣れているつもりだったが、ここではどうも勝手が違う。照れ臭い。
エプロン姿の小柄な娘が、きょうこの姿を見て、申し訳無さそうに詫びた。
「お客さん、すみませんね〜、ご覧のとおり、あいにくいっぱいなんですよ〜。もう少ししたら空くと思うんですけど〜」
この店の看板娘なのだろう。クリクリ目玉で真茶に染めた髪をポニーに束ねてる。
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[6] By きょうこ
03-25 08:46
その時端っこに座っていた初老の男とその仲間たちが立ち上り、声を掛けて来た。
「俺たちゃもう帰るから、ここに座んな〜」
そう言いながら、財布を出して勘定を済ませてる。
きょうこは申し訳なく思い、笑顔で彼らに言った。
「ゆっくりと飲んでくださいね。私は急いでないですから。」
「いやいや、俺たちはもうたらふく飲んだよ。これ以上飲んだら脚が立たなくなるさ。はっはっは!さあ、遠慮しないで座ってくんな。ネエさん。」
連れの男がきょうこに嫌らしい視線を浴びせながら言い出した。
「何?もう立たないって?オレはこのきれいなネエさんを見て、元気が100倍だ!それにしても垢抜けたきれいな女だな〜。あんたどこから来たんだ?ここの者じゃないだろう?」
きょうこは突拍子もない男の言葉に戸惑いを隠せず、返す言葉が見つからなかった。
初老の男がきょうこに絡む男を叱りつけた。
「おい!知らない人にそんなこといいやがって。失礼じゃねえか!全くしょうがないヤツだなあ。本当にすみませんね。
こいつ酔ってるんで許してやってくださいな。」
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[7] By きょうこ
03-25 08:49
初老の男はきょうこにペコリと頭を下げた。
「いえ、私、別に…。」
初老の男は連れの男を叱りながら、腕を抱えて店を出て行った。
やっと空いた席に腰を掛けたきょうこに、隣席から好奇の視線が相変わらず降り注いでいる。
きょうこの方を眺めては、何やら語ってる。
(何者だろう?)
(どこから来たのだろう?)
(いい女だな。)
(まるでモデルのようだぜ。)
どうせ彼らの話題はそんなところだろうと想像が付く。
きょうこは視線を感じながらも、あえて知らない顔をすることにした。
注文を取りに来た看板娘に、生ビールを注文した。
酒のツマミには、北国で捕れる魚の刺し身と小鉢を注文した。
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[8] By きょうこ
03-26 09:05
まもなく中ジョッキーが運ばれて来た。
泡がジョッキーから少し溢れてる。
(グイ…)
きょうこはジョッキーを傾けた。
喉が渇いていたこともあって、その冷たさが実に心地よい。
仕事が終わってスタッフと飲みに行くことは希にあるが、ひとりで暖簾をくぐったのは久しぶりだ。
東京で飲めば必ずと言っていいほど、雑誌関係の記者が影から目を光らせている。
また不意にサインを求められることも少なくない。
その点、この最果ての港町であれば、大して騒がれることもないだろう。
せいぜい、「あの女、どこかで見たことがあるな」程度で話が終わる。
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[9] By きょうこ
03-26 09:06
きょうこは、久しぶりに狭い池から、大海に出た思いがして、ふっと大きな息をした。
(いらっしゃい!生憎、いっぱいなんですけど…相席でもいいですか?)
(うん、いいよ)
そんな会話が店の玄関先から、きょうこの耳に飛び込んで来た。
看板娘が「お客さん、悪いですけど相席をお願いしますね。」と申し訳なさそうに言っている。
「ええ、いいわ。」
きょうこは看板娘に肯いた。
そしてまもなく…
「すみません。」
向かい側に1人の男が頭を下げている。
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[10] By きょうこ
03-26 20:28
「ええ、どうぞ、ご遠慮なく。」
きょうこは僅かな作り笑いで言葉を返した。
男はきっとこの港で働く男なのだろう。他の男たちと同様によく日焼けをしている。
背は175cmぐらいだろうか。歳は30代半ばぐらいで、上に作業服を羽織っている。
精悍な顔付きに短い髪が、つい最近別れた彼にどこか似ているな…ときょうこは思った。
男は熱燗を注文した。
酒が運ばれてくると、男は自酌で注(つ)ぎ、グイッと盃を傾けた。
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