投稿日03/18 13:46

「ケーキとコーヒーといつまでも甘い男」
ジェルガヒミカ

先日話したT君がケーキの箱を下げて家にやって来た。
私はつい「まぁ、いらっしゃい」とケーキの箱を見ながら言ってついでにT君も家に上げてやりました。(キッチンでケーキの箱を開けると中にはゴテゴテのチョコレートケーキと私の好きなモンブラン。んー分かってるね〜)私がご機嫌でコーヒーにお湯を注いでいる時からべらべらとT君は話し始めた。
どうやら、先日のホワイトデー彼女におねだりされてCOACHのバッグを買わされたらしい。
バレンタインにチョコを上げてホワイトデーにもおねだりされてなんだか納得がいかない。マスコミもメーカーもなぜホワイトデーはと取り上げないのだとウダウダが止まらない。
私は毎回で聞き飽きたT君の言葉を遮るようにして
ふんふん、そーか、それはやり切れないねぇ。
でも彼女は喜んでたんでしょう?男は女の子を幸せにさせてこそ意義あるんだからさ。いいじゃない。俺はあいつを笑顔にさせたって威張っちゃ駄目だけど誇ってたらいいじゃないの。
と言って私はコーヒーとケーキをテーブルに運び心の中で小躍りしながらモンブランにフォークを突き刺して口に運ぶ。
し・あ・わ・せo(^-^)o
T君は出されたコーヒーをジーっと見て砂糖とミルクはないですか?と言うので渋々私は立ち上がってキッチンから持ってきてT君の前に差し出す。すると彼はスティックシュガーを3本まとめて封を切ってミルクを入れて掻き混ぜた(おい、それは入れすぎだろーと毎回思うのだが彼の甘党&変食は今に始まったわけじゃないし、それでいてモヤシみたいな体型してるのが鼻につくので黙っているのだが)そしてゴテゴテのチョコレートケーキを大きく切り分けては牛丼食ってんじゃないんだからってぐらい大きく口を開けてもぐもぐ食べている。(なんでこんな食生活の人間が太んないのかしら)
ケーキをたいらげて一息ついたT君が
でもその後彼女と連絡が取れないんですよ。と、ため息を漏らした。
私はほぅ、それは面白い。と言いかけて言葉をぐっと飲み込み
どうしたんだろうねぇ何かあったのかな?ところで彼女とは何処で知り合ったの?
T君はあっまいコーヒーをすすりながら、
○○街のキャバクラで…
と、T君は出会いからデートの内容等私にはもうどうでもいい話を語り出した。そしてまた喋り始めたら止まらない。私はT君の話を右から左へと流しつつ相槌をうちながら、ケーキをほお張る。あぁ、なんて貴方は美味しいの。
しかし、T君みたいな人間も居るからチョコレートは売れるし、ブランドバックも売れる。んで、キャバ嬢も含め皆マンマが食べられる訳だったりする。そして私もこうしてケーキが食べられた。うん、うん。これで、こんな感じで世の中は回ってたりもするのだろう。
T君は少なくとも今の状況に決定打を打たない、打てない?まぁどっちでも一緒だけど。政治家より偉いんじゃないかしら。
しかし、T君からこれと似たような話を前にも聞いたような…彼はいつになったら「勝手に夢見る恋人気分」体質から卒業出来るのだろう?そろそろ学び取れそうなものだろうに。
でもその度に彼は私にケーキを運んでくるからいらぬ事、いらぬ世話は黙っていてやろう。
男は自ら気づき立ち上がり前へ進むべきなのだ。そう、それが彼の為で……&私の胃袋の為。



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