投稿日03/27 11:51

「いつのまに(其の参)」
ジェルガヒミカ

 話はそれますが、4年ぐらい前の事。私の個人的な都合と会社の転勤で1年間の内に4回私は住まいを変えました。まだその時は会社におんぶに抱っこをしてもらって依存していた時期でして、引っ越しが決まる度にしなきゃいけない数々の細々した手続きや一人知らない土地に越す心淋しさは未だに慣れませんでしたし、いつかその内に自分の居場所を無くすのではないかと、どこか心が萎縮した日々を過ごしていました。その時期何が怖かったかって、物は壊れたり、無くなったりしてもまたお金を貯めて購入すれば済みますが、今まで時間と手間隙かけてコツコツと積み重ねてきた公私に渡る自身のステータスが完全に破壊されるのでは。と想像しただけでも恐怖で、当時は夢に見る程でした。 (でも、その2年後に結局自身で全部破壊するのですが〔笑〕)
 住まいを仕事を金を持たない事で生まれる沸き上がる感情は実際になった事のある人間にしか分かりません。しかしその感情は「諦めずに社会での自分を取り戻そう」と考えるからこそ生まれる感情だと思います。
 今現在全国にどれ程の路上生活者がいるのか詳しい統計があるのかも知りませんが、一体どれだけの路上生活者をしている人間の内の若い働ける人達が
「仲間も増えてきた。炊き出しもあるから死にはしない。このままぬるま湯でいいや。」
と思って日々を生きているのでしょう。
ぬるま湯もお湯を足さなければいつかは水です。
出来るかもしれない事を何もしないそんな人達は、いざ湯舟から出た時に寒さが迫った際、どのような行動をするのでしょう?いや、出来るのでしょう。
国はあてにならないと考え文句を言っている人の中には行政におんぶに抱っこをいつまでもせがむという矛盾した人がいないとも言い切れません。

彼女が見たホームレスが何を考えどう生きようとしているのかは、きっと誰にも分かりません。もしかしたら、はい上がろうとしてるかもしれないし、全てを失って諦めた人かもしれません。
でもそんな事は国は勿論他の誰にも何も関係ありません。しいて言えば、
「散らかすな。邪魔な場所に居着くな。寝るな。」
と言ったところでしょう。
街に空き缶が落ちてれば拾ってくずかごに入れる人はいますが、その辺りに困っている人がいても、誰もが手を差し延べるなんて事は減りました。
 一概には言えませんが今の教育方針が影響してなくはないでしょう。その教育方針を生み出すのは世論であり社会でありそれを支持する大人ですから大人の考えが自然といつからか子供達には伝染いや、刷り込まれたのでしょうね。
続く

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