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[1] 羽と碧星
By 夏氷
10-02 17:11


窓に映るせかい
窓の向こうのせかい
半透明なせかい
不透明なせかい
実像と
虚像
真実
どちらも真実
でも虚ろ
薄いガラスのまくに
隔てられたせかい
重なるせかい
同じせかい
続くせかい
一つのせかい
全てのせかい




わたし




.
F904i
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[2] By 残声
10-17 20:30


ツクツクボーシ
ツクツクボーシ




肌寒い空から降り注ぐ日は
いやに熱い

秋虫達は
大合唱を繰り広げる

ひとたび響いた夏の名残は
吸い込まれるように
青に消えた




.
F904i
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[3] By 走る雨
11-08 21:29


雨が走る
ガラスに
砂つぶのようなあとを残して
ポツリポツリと
足音をたてて
雨が走る

いくつもの足跡は
いつのまにか流れになって
灰の中に川が浮かぶ

水音は絶え間ない

いつか
あとは消えるけれど
今は白く白く
映えていた




.
F904i
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[4] By 旋風舞うは‐カゼマウハ‐
11-23 14:43


赤き色味は火のようで

黄色き色味は月のよう

旋風に火月は舞い躍り

地へ沈みては伏し眠る



染まりゆく葉の愛おしき

散りゆく様のかなしさよ




.
F904i
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[5] By 問題
12-28 16:26


あなたは何につかれているの

僕は君につかれているの

おおそれはたいへんだね

ああとてもたいへんだよ

くすくす

とてつもなく重いのだけれど

女性に言っては叩かれるよ

息もつけなくなるのだけど

まるで恋だね

冗談はよしてくれよ

くすくす

全くもって掴めやしない

それはそうだよ

見えもしない

当然だよ

それなのに

それなのに?

こんなにも苦しめられる

困ったね

どうして?

人類永遠の問題だもの


人一人が解決しようとするのが

まちがいなのさ




.
F904i
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[6] By 一番大きな傷の痛みは
02-06 14:26


大なり小なり
誰しも傷を持つもの

大きな傷がないのはいいことです
大きな傷がないのはいいことです

でもそれは
痛みを知らないことではありません
人それぞれに
一番大きな傷があるのです

大きな傷を持っている
大きな痛みを知っている
だからといって
知らない人を軽んじてはいけません
その人の一番大きな傷の痛みは
その人にしかわからないのです

だから
比べるものではありません
比べたって無意味です
虚しいだけです

誰しも傷はあるのです
誰しも傷はあるのです




.
F904i
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[7] By 描く夢は
02-12 18:42


夢を描いた

都合のいい幸せな夢

虚しくなるだけだった

叶わぬ夢は悪夢だ

それでも夢を描くのは

諦めの悪さ

それだけなのかな




.
F904i
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[8] By 夜イルカ
09-20 16:00


夜のイルカ

夜イルカ


お前さんは一体どこへゆく
片方眠っているのにさ

それでまっすぐ泳げるかい?
ゆく先さだめて泳げるかい?

まっくらくらの闇の中
ゆきたい方がわかるのかい?

夜のイルカ

夜イルカ


止まった半分は大丈夫?




.
F904i
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