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[1] 一色の焔
By 宇佐 世白
03-02 17:53
わたしからの卒業



果敢無さが天から
降って来る時
わたしのいだく標は
具に光を求めて彷徨う

逃げ出さずに
此処まで終われた事に
追われた時日が
ひたむきに咲う

薄紅の花をみなもに
沢山、浮かべましょう
薄紅の匂いを
忘れずに
明日へ向かいましょう

黄昏れた日々に
嫌気が差した月を眺め
失いかけた歔欷に
求めた夢を掛けた
この卒業の日に
わたしはわたしへ
ありがとう
わたしはあなたへ
ありがとう

続く路の荊には
負けられ無い
強い信念が
今なら此処に
充分過ぎる程あるから
F01A
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[11] By 宇佐 世白
06-12 04:38
『雨に舞う傘への思惟』

傘の雨を抱いて漂う色
錦に揺蕩えば好ましく
詳らかなる色彩は花で
それでも僕は捨て去る

聲を殺めた小糠雨の音
破れ声を信じた金雀枝
暁に燃えるその静寂は
僕に明日をいだかせる

気の詰まる五月雨の音
嗄れ聲を殺めた夾竹桃
夜に高ぶるその影絵は
僕に昨日をもたらせる

傘の雨を匂いて惑う天
彩に広がれば疎ましく
詳らかなる雲間は息で
だから賺した僕は濡る
F01A
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[12] By 宇佐 世白
08-02 21:09
『あんな祈りの為に』

夏灯りの火照りで
あなたを抱くのは
祈り名付けた謌も今は無く
憂さ晴らしの声だけ
四方に響いて堪らない

別れを惜しんだ夜が
後ろ側から追いかけて
朧影が晃り弄んだ夏灯りが
嗤うだけあなたを抱くのは祈り
あなたを知らない祈り

独りで歩くにしては
荒れ過ぎたこころを持ち
大波立てた街角は
さよならと名付けた謌を
声高らかに歌う

弄んだ夏灯りに似た
祈りが連れ去られる刻に
あなたは気付き
でもどうか泣かないで慾しい
わたしのように幻だなんて
とても辛過ぎる

あんな、あんな、祈りの為に
F01A
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[13] By 宇佐 世白
09-15 06:21
『逑めしこの世の瓦解』

波食の地で
翳りを魅せ始める秋暁の
孤影は何の皃にも為らずに
許多のヒトが
声に出して訴える

其の無様な己の声と似た
尻声の悲しき夜
死に化粧の紅を堊る者も
渾融させて壱と為す

雲の峰の迥か下にて
共に栖むヒトと其の天空から

支配にはもはや意志も
戦跡も廃した結果
神とは何かも
今や種々勘考するだけで
永久に亡ぼされる

想えば
唆されたと嗤笑され
嗤えば
嘲り受けたと冷笑を受ける

光の眩しさに問いを投げる亊
扉に重きを置く亊
憧れに惑う亊
衆知の輪形を描く亊
これら全ては本当に無様か
F03B
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[14] By 宇佐 世白
09-18 23:26
『ただ一枚の葉を呑む』


葉の群れが
凋落の一途を辿りつつ
水に逃げる

よくよく見れば
葉は疵を持ち
身の欠けたるを
こころが拾う

触れたならば色も褪せ
掻き集めた葉の中を
その一枚が眸を占める

落ち往く儘に
涸れ往く儘に
一生をこの葉の樣に
終わらせたい

早くてもいい
短くてもいい
生きた証が本当に
この世にあるのなら

此の葉を呑み込みながら
わたしが昔に
赦したものと
赦さなかったもの全てに
再びの希望を掛ける

終わらせられない終わりと
終わらせたかった終わりと
その双方へも
同時に
F03B
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[15] By 宇佐 世白
09-23 23:44
四行定型詩
『訪ね秋高、爽やか為る』



熟れたグレープに
腫れた慾動の影は
季節の旋律を奏で
秋はもう直ぐそこ

素肌を晒した夏は
熟し始める体にも
まるで酷似しつつ
深まる熱を浴びて

素肌を隠すが秋は
次々寄せ合う吻も
まるで君を求めつ
深まる風を感じて

蕩けるグレープに
吻付けて甘い光は
季節の悲哀を奏で
秋は淡く直ぐそこ


『詩葉会』テーマ投稿詩
F03B
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[16] By 宇佐 世白
09-23 23:44
四行定型詩
『訪ね秋高、爽やか為る』



熟れたグレープに
腫れた慾動の影は
季節の旋律を奏で
秋はもう直ぐそこ

素肌を晒した夏は
熟し始める体にも
まるで酷似しつつ
深まる熱を浴びて

素肌を隠すが秋は
次々寄せ合う吻も
まるで君を求めつ
深まる風を感じて

蕩けるグレープに
吻付けて甘い光は
季節の悲哀を奏で
秋は淡く直ぐそこ


『詩葉会』テーマ投稿詩
F03B
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[17] By 宇佐 世白
12-11 09:22
『韶華を契る』

韶麗と微か
風を纏いながら
呼び合うようにして
冬珊瑚は命を試す

生温かい呼吸の果たて
塞ぐこころの犯す蠕動

疼き始める疵跡を断ち
指で描き切る空の模樣

華を待ち続け
知らぬ存ぜぬ天への柱
穿ちて見ゆるは淺き水面
明日を哭びて詰まる声

素直になれぬは
空もヒトも同じく
謌声を迥かに投げ付け
空の透明なるを識る
踟躇を標として
寂か瀞を這うものが
明日の背に宿る

謌に情け
声に戸惑い
現実を知るには酷く
早過ぎた

懐かしい謌ばかりが痛んで
命を試した
眠りの冬珊瑚

F03B
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[18] By 宇佐 世白
01-30 12:42

兎角、思いを廻らせ
泪の落ちる随意に
星は天より殞ちる

想いの川は
流れるのだろう
永久に続く亊だろう

意地を持てば
保身だと己が嗤い
意地に誇りを掛けて
喚き出せば是非を問い
顯らか為るものは
一切として無いだろう
今、この世界には

侮り難くも溢れ零れ
意識は夢中
無意識は得手勝手
噫乎、もう泣けもしない

愛を知り得ず
恋に期待をしては
躊躇いに恩を着せて
左胸だけが泣くだろう

胸臆を洗え
諦めるなら棘を飲め
ヒトを探せ
生為るを赦すのは
何も神だけでは無い




F03B
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[19] By 宇佐 世白
04-06 10:52
『万朶、降り注ぐ』

朝焼けの
山端の上を見る
春、間近の箱庭の中
目指せる重畳の在り処も
今は何も頭には無い

扉の向こう側で
雨風が緩やかに吹く
冽たい床に
踏み込んだ足が
まるで土が湮む樣にして
弛んだ気がして
噫乎、わたしは情けない

今わたしの隣で
呼吸を続けているだろう
得手勝手為る生命は
今わたしの傍らで
手を振る真似をする

綺麗なものは
信じられないのだろう
美しいものを
ただ純粋に美しいと
わたしは何故、言えない

芽吹く莟が偶然の樣に
季節を辿っては万朶と
響みて肩に孰れ降るのだろう

万朶の桜
噫乎、いまこそ
空へ彷徨いたまえ



F03B
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[20] By 宇佐 世白
06-24 21:38
『銀河の九天より落ゆ』

鬱紆の廻り廻りて廻帰の念
其処には温かくも暖かい
はだえと日溜りが
押し寄せて来ては
頼り無い意識を邪魔して
どうして
わたしに帰結する

梦の中に
いるかのようだ
疵を付けても疵など
流れる泪も血すらも
有り得ないのだと
わたしに言って慾しい
わたしに安堵を齎して

じゃなきゃ
梦さえももう
見たくも聴きたくも
なくなってしまう

ゆっくりと一歩ずつ
前に向かって歩んで往く亊
簡単には其の一歩を
踏み出せない

梦には梦と
標した旗を風に靡かせて
じゃなきゃわたしはもう
梦さえも
駄目に為る
pc
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