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[ 1 ] ◆ 南西の街道
** PC名:***** **

帝都と魔都を結ぶ街道。途中、牧場があり街道の道中には休憩スペースとしてベンチや小屋が設けられている。
魔物の出現報告も少なくない為、非戦闘員は護衛をつける事を推奨されている。

** 投稿日時:2022.01.31 04:07 ** [ 編集 ]
[ 56 ] ◆
** PC名:シシバ **

「アア゛ッ──。なァ…、俺も“あの方に選ばれし魔将”ってヤツでよォ。テメーの、そのチンケな犬っころ精神を俺に恵んだってバチは当たんねーよなァ?」

(やはり先の物言いは単なる挨拶代わりの挑発だったことを悟りつつも、呆れ混じりの正確な分析は図星に他ならず。不幸中の幸いは相手の“好物”である恐怖とは無縁だったことくらいだろう。煩わしいと邪険に扱うのが最もだったが、その後に続く何とも興を唆られる血の話題がそれを踏み留まらせて。次いでタイミング悪く赤黒く膿んだ右腕の欠損部からずりゅり、と緑色の粘膜を伴った新たな右手が生えるなら、それが齎す痛みに悶絶しながら。丁度半分程度で止まった姿は異形或いはグロテスクそのもの、左腕で脇の辺りを抱いて痛みを遣り過ごしつつ再び相手を見据えるなら大粒の汗が顔面を伝っているだろう。態とらしい台詞回しで戯れ言を口にするが、目の前の同胞が都合の良い癒しの力を持たない事は承知している筈だ。)

「──殺ったのは何処の何奴だ。」  

(敵国である聖都の詳しい被害状況は勿論、首謀者についてすら同胞意識に欠ける自身には取り留めもない事柄の一つであったたらしい。だが、仮に相手の推察通り相当の実力を持っていたであろう同胞が返り討ちに遭ったのであれば、それ以上の実力を兼ね備える敵国の将校が存在した証左である。戦いに飢えた自身を唆らせるには十分過ぎる情報かもしれない。加えてつい先日邂逅を果たした女怪の存在が浮上するなら、相手が挙げた意図を謀りながら。同胞同士の諍いは禁止こそされていないが、かと言って積極的に認められる行為でない事は明らかだ。結果として彼女を追い詰め、力の根源たる核を陵辱した刺激的な光景を想起させつつ聖都の一件に関しても、また私闘についても滅多な事を言って露見させるような事態は避けようと素知らぬ振りに努めて。)

「お笑いだな、一人でオメオメ逃げ帰った訳か。あのトリ頭のしそうなことだ。…俺が知るかよ。」


** 投稿日時:2023.11.12 16:22 ** [ 編集 ]
[ 57 ] ◆
** PC名:禍呵世怨(カカゼオ) **

フン……………。

(蜥蜴の尻尾が生え変わる様を早回しにすればー此方の方が些かグロテスクな様相ではあるがー似た光景が見れるだろうか。著しい細胞の再生をもって、緑にテカる粘膜を伴い新たに右腕が生える様は相手の苦悶の貌も相俟り見るに堪えるものとは思えず、無言ながらも顎を僅かに上に、眉潜め双眸を細めて。欠けた腕は戻ったと言え、満身創痍の肉体までは遺憾ともしがたいらしい相手だが、己が話を訊き、早くも次なる闘争に心躍らせているのか、助けを期待しながらもその目に映るは命乞いの恐怖ではなく、殺戮望む漆黒の意志で。呆れたように鼻から息を吐き手を翳せば、虚空に浮かぶ黒い瘴気から形作られたるは漆黒の太刀。足元の死体の山を踏みにじり相手のいる頂に達せば、暫し相手を見詰めた後その太刀を相手の喉元に向けーー)

確かに、非常に残念で無念であるし、貴様を魔将に末続けて善いものかという懸念が年々増すばかりだがーー貴様迄欠ければ他国との力の均衡に罅が入るのは確かだ。
ーー疾く動け。雑魚ならば『瘴気』で散らせるが、大物が来れば判らぬ。立てないなら……仕方ない。連れて行ってやろう。高くつくがな。

(るが、太刀を振るったのは相手ではなく、相手の血ー百足獣人であるから相応しい呼称は体液だろうかーの臭いに反応し群がってきたと思われる狼に似た魔物ども。しかし小物は小物。刀身に空いた穴から噴出した恐怖を呼び起こす黒の瘴気を浴び、堪らず逃げ出していくが、此の場に留まればいずれ恐怖に屈さぬ練磨の大物がやって来ぬとも限らず。注意深く辺りを見回し周囲を警戒しながら、言葉だけを相手に向け、歩行出来るだけの力があるか確認。返事に関わらず、六魔将の空席を増やさぬ為には魔都まで相手を送り届けて癒し手にでも預ける他ないが、動けないなら此方が身体を張らねばなるまい。『怨念』の瘴気は蝕む者を選ばないが、相手ならば少し流れ弾を受けた程度で恐怖に侵されはしないだろうーーそのように目算を立てている途中にも侵入者を撃退せしめた『英雄』についての質問は続き、『前進』を象徴する百足そのものの在り方に半ば称賛する気持ちになりつつも、皮肉は忘れず答えてやって)

儂も知らぬ。ーーただ、遭遇した現第五聖柱だという人間の男からは、聖柱が敵と戦闘中だという話は訊かなかったな。恐らく殆どは王族の警護や民の避難、警備にあたっていたのだろう。
彼奴もそれなりに力はあった。聖柱以外で討ち取れる者は、宰相か、神将か……。
そも儂に訊かずとも、遊ばなければ当事者に直接話を訊けたのではないか?

** 投稿日時:2023.11.15 11:49 ** [ 編集 ]
[ 58 ] ◆
** PC名:シシバ **

(身の毛が弥立つ、とは正にこの事を言うのだろう。先日刃を交えた女怪のそれとはまた異なる冷気が立ち込め、夕闇から溶け出したような黒から彼の代名詞とも呼べる瘴気が渦巻いたかと思えば、次の瞬間握られていたのは漆黒の太刀。一切の躊躇なく死屍の山を上り詰め、やがて自身の目の前に至るなら赤と褐色の瞳が交錯して。六魔将としての適正を疑問視する相手の言葉は最もだろう。喉元に差し向けられた刀身に、依然として半身を起こして腕を後方に着いたまま微動だにせず、この始終に身を委ねるように半笑いで相手を見上げながら。)

「──ハッ、言ってみるモンだなァ。」

(まるで羽虫を払うような一連の動作が自身に向けられたものでは無い事を、決して短くない付き合いから察していたようだ。全ては魔皇帝、そして彼自身の信じる真理を実現せんが為。だが結果として自身を狼牙から救い、更に帰還までの手助けを申し出る姿にはお人好しが過ぎると自嘲気味な笑みを溢して。─そして、相手が纏う紫炎のように余韻を残して消えていく瘴気は想定通り恐怖を齎すには至らなかったが、突如として顔が塗り潰された女性が涙する姿がフラッシュバックする。その後すぐに襲われた右腕の痛みで再び忘却の檻へと閉じ込められてしまうのだが─。)

「…宰相か神将か。まァ、片っ端からぶっ殺せば早ェ話だ。…そもそもあのトリ頭にマトモな話が通じると思ってんのか?」

(有力な情報は得られなかったが、自身にしてみれば何方でも関係なかったようだ。相変わらずの過激な思想は、相手に本日何度目かの呆れと落胆を齎すかもしれない。私闘について既に承知している口振には、食えない野郎だと親指を自身の首に据えて横一文字に切って見せ、挙げ句の果てには同情を誘うような物言いを続け。次いで相手の好意を貪るか踏み躙るか思案を巡らせていたが、完全に夜の帳が下りた森の奥からこれまでの魔物達とは比較にならない殺気が向けられるのを機敏に察知する。恐らく今し方祓った魔狼の類だろうと唸り声から悟りつつ、自身はその場から一向に動くつもりは無いようだ。森の奥から視線を移し、だらしない笑みを据えながら再び相手を見上げて。)

「─お望み通り大物が来たぜ。ご自慢の怨念で祟り殺してくれよ、なァ。」

** 投稿日時:2023.11.16 14:58 ** [ 編集 ]
[ 59 ] ◆
** PC名:禍呵世怨(カカゼオ) **

……魔皇国の未来の為だ。

(素直に認めるのは癪だが、日頃感性や価値観の相違で不服や皮肉を口にしてはいても、こと戦闘に於いて心強い味方である相手をこのような処で喪えば多大なる損失となる事実については認めざるを得ないが、其のような事を口にしようものなら全力の揶揄が飛んで来るのは火を見るより明らかであり、眉間の皺を深めながら短く返すが、その建前ですらもまた相手の力が魔皇帝や己らの為に必要、という文脈を持つ事に言い終わってから気付き、更に貌をしかめ舌打ちを溢して)

貴様、脳味噌が発酵して味噌になっているのか?今其のような真似をすればどのような末路を辿るか、奴が示したばかりであろうが。
それに、此度の襲撃で聖王国も帝国も、城の警備を相当厳重にしておる筈。如何して殺すというのだ。
……さぁな。儂に云わせれば貴様等の大半は話が通じぬが、せめて報告や情報共有はマトモにして貰いたいのだが。

(己が瘴気が相手にほんの僅か何かの光景を喚び覚ましたとは知らぬ儘、暫し相手の出方を窺うが、動けないのかはたまた此方を困らせんとして態と動かないのか、地に伏せたまま微動だにせず。根競べも善いが、厄介な魔物が現れる危険もある為、不服の唸りをあげながら相手に馬乗りするかのような姿勢に。抵抗がなければ小脇に相手の脚を抱え、おもむろに身体の上でえいやと前転。肩上に担ぎ上げる姿勢を取れば、道の方に向け歩きだし。力学的に簡単な担ぎ方をとったが肩に感じる重みは道行き負担となるのは確実で、自然返す言葉も棘を持つが、相手の言葉に此方も遅れて殺気を察知。小言を口にしながらも再び太刀を形成し、気配のした方向を見れば、闇が降りつつある森の中で相対したる見上げんばかりの巨躯持つ大狼に、此度はより密度を集中させ、闇より深き漆黒の色に染まった瘴気を飛ばし。先程と比較して範囲は狭いが、濃度は先の比にならぬもので、身に触れれば人ならば肥溜めに脚を突っ込んでいるかのごとき忌避感と共に、より強く恐怖を想起させんとするだろうが、果たして相手に通ずるかどうか。効かぬとなれば戦闘は避けられず、己の膂力では及ばぬだろう。尤も、そうなれば対応手段は既に考えているが)

……全く、これだから儂は何であれ名を喚ぶのは好かぬのだ。こうして障り、災いを招く羽目になるのだからな。

** 投稿日時:2023.11.19 20:05 ** [ 編集 ]
[ 60 ] ◆
** PC名:シシバ **

「オメデテー頭で何よりだ。」

(彼の盲信する「魔皇国の未来」には無関心無頓着、寧ろ魔皇帝へ叛逆の牙を研ぎ澄ませる自身の存在はその対極、諸刃の剣と言っても差し支えないかもしれない。それらを加味しても尚、(恐らく不本意ながらも)自身の存在に一定の価値を見出している物言いには不快感を通り越して失笑が溢れつつ。だが、苦虫を噛み潰したような相手の表情を垣間見て満足したのだろうか、罵倒する言葉尻には珍しく刺々しさが抜け落ちている。)

「…あァ?雑魚と一緒にすんじゃねェ。だァから殺すんだよ、全員な。馬ァ鹿テメーが異端なんだよ、ガキの一つ覚えに尻尾振りやがって──あ?」

(相手が纏う象徴的な装束の発祥地東国では伝統的な発酵食品として味噌が知られているが、生憎知識も教養も乏しい自身には相手の高度な洒落が伝わらずに怪訝に眉を顰めるばかり。理論も戦術も無い無謀な発言にはただ一つ、自身の実力への揺るがない自信があるようだ。次いで相手が自身に覆い被さる格好となるならその意図を図りかねるが、特に抵抗も無く自身の身体に垂れる艶やかな銀色を追いながら。依然として強い倦怠感に苛まれる中、一瞬の圧迫感と強制的に視界が一回転し、気が付けば相手の肩の上に担がれている格好となっており。遠心力を利用した搬送方法が試みられたのを認識するのは数秒遅れた後のことで。)

「俺は魔皇国の未来なんだろ?もっと優しく抱けよ。──オイ離せクソ野郎、テメーの“アレ”は御免だ。」

(殆ど同じ体格同士で不安定な姿勢の中、器用にバランスを取りながら左前の襟元に左手を差し込んで肌を弄り揶揄おうと。その発言の意図は極めて不本意ながら馬乗りされた際に如何わしい欲望が掻き立てられてしまったことに起因するが、相手が気付くことは無い筈。だが、その気紛れな戯れも相手が再び形成した漆黒の太刀の存在により自重せざるを得ない状況へと。先よりも肉体が密接した状況下では、身体を這いずる言いようの知れない不快感がよりダイレクトに襲う。そして烏合の衆を祓った先のそれとは比較にならない黒の閃光が解き放たれるなら、間も無く轟くのは苦しみ喘ぐ獣の咆哮。並の魔物であれば恐怖に苛まれて逃走するところだろうが、残念ながらこの個体は正気を喪失したようだ。大木を薙ぎ倒し此方に迫る鈍色の魔狼は体高五メートルを優に超えている。更に切り札を示唆する物言いには思わず忌避感を隠せず自身を解放するように指図しつつ。何度か目にしたことのある“アレ”は気持ちのいいモノではないことだけは知っているつもりだ。魔狼の右眼には被弾した瘴気が未だに巣食っているように見受けられるが、果たして。)

** 投稿日時:2023.11.20 21:11 ** [ 編集 ]
[ 61 ] ◆
** PC名:禍呵世怨(カカゼオ) **

目出度い頭なのは貴様の方だ。このような処で勝手に死にかけおってからに。

(自らの煽りが一定の効果を与えたと己の態度から悟ったと見える相手が何処か満足げな表情を見せれば、其れと反比例するように向ける眼差しは不愉快を隠さないものとなり。されど其の力と闘争本能の有用性を己が認知しているのは純然たる事実であり、何か物申したくもそこについては否定出来ず、結局は吐き捨てる如く、最初の指摘を繰り返すに留まり)

下らん、只の虐殺に何の正義があろうか。よく聞け、魔皇帝様が成そうとしているのは、正当なる復讐なのだ。
あの戦役で最も多く土地や人を巻き込み、命を灰塵に帰したのは誰だ?ーーあの忌まわしき長耳どもではないか。ええ?
我等の闘いは貴様が暴虐を奮う為にあるものでも、得体知れぬ火の獣(けだもの)に餌をやる為にあるのでもない。貴様もあの方に仕える者なら、其の事を弁えよ。

(怪訝そうに声をあげたのみで言及がない処を見るに、小洒落た皮肉は不発に終わったらしい。権謀術数より敵を捩じ伏せる己が力のみを信仰する在り方は魔皇国では正しいのだろうが、幾ら目の前の男を一騎当千の益荒男と認めてはおれど、敵も猛者揃い。何より其れ程の強者も、二国同盟という千を遥かに越える集団の力の前には無力である事は先の襲撃が証明しており。説得を試みるならば、雌伏して時を待つ事が最終的に相手の闘争心を満たす強者に合間見える可能性を高める事に繋がる利点を説明するのが道理だろうが、魔皇帝を盲信する思考は自国の正当化、そして戦役での魔導ゴーレムの暴走を引き合いにした敵国の悪魔化に向かい。今も夢に見る件の事件により引き起こされた地獄の如き様を思いだし口調に熱が籠るが、凶相にて語る其れは端から聞けば偏執症(パラノイア)染みた騙りにも映るかも知れず)

ほう、我を喪いはしても逃亡はせぬか。図体に見合うだけの肝は持ち合わせておると見える!
ーー儂に任せたのはおのれではなかったか?我が儘なことよ喃。
降ろすのは善いが、引き続き手を出さぬつもりなら、儂には彼奴の頸を切り飛ばす程の力は無い。お前には気色悪かろうが、この森の者共の恐怖を糧とし、力を蓄える事は不可欠だ。
……儂は貴様程血を求めてはいない、逃げるも構わんがーー何れにせよ猶予はないぞ。口出ししたのだからお前が決めろ。どうする?

(風に乗り森に広がる瘴気にあてられ、木々の枝や地面に穿たれた巣穴から、小動物に鳥、蟲どもが逃げ出て、逃げ惑いながら混乱と狂乱の鳴き声をあげるのが、森のざわめきが耳に届き、弱き者をいたぶる嗜虐的悦楽、そして彼らの恐怖を贄として己に流れ込む力のもたらす快楽に、歯を剥き出し狂笑を浮かばせ。己が背に抱えられる相手は、ともすれば魔族の中では平均的な膂力しか持たない己の筋肉が、血管を脈打たせ膨張し、強靭さを増すのを感じたかもしれない。しかしエキサイトする中でも相手の抗議の声を気に留めるだけの理性はあり、膨らんだ風船が萎んだ気分で溜め息を溢せば相手に、次いで目の前の巨躯の怪物に視線を移しシミュレート。戦闘に参加しないという意向を尊重し、かつ身の安全に考慮するなら、魔狼に背を向け相手を安全な場所に移した上で仕留めに戻る事になるが、狂乱状態で何をするか判らぬ以上、放置するのは却って危険に思え。このまま森を怨念で侵し、力を蓄えた上で敵を屠るという己が計画に付き合うか、さもなくば逃亡のふたつの策を提示し、選択を委ねる事とし)

** 投稿日時:2023.11.24 22:52 ** [ 編集 ]
[ 62 ] ◆
** PC名:シシバ **

(どうやら既に否定済みの事実を繰り返す程の気力も拘りも本日に限っては持合わせていないようだ。あしらうように鼻で笑うに留めるが、彼自身の根本原理たる“正義”を饒舌に捲し立てる様子に暫く黙って耳を傾け。ミシュドガル戦役─。とある神話にて語られる『神々の黄昏』をなぞるような対魔族殲滅兵器・魔導ゴーレムの暴走は世界のありとあらゆる生命を燃やし尽くしたという。狂気染みた真紅の瞳に無表情の己が映り込むが、彼は決して“視ていない”。自身にしてみれば立派な妄執、仮初の正義に囚われた相手の姿は最早憐れな存在として映るかもしれない。その実、戦後生まれの自身にしてみれば敗戦国としての当事者意識は愚か、矮小な存在として毎日を生き抜くことに必死で、空腹に比べれば世界を恨むことすら億劫だったのだ。全ては自身の感情を支配する苛立ちを鎮めんが為、そこに正義という大層な言葉は余りにも分不相応だ。かと言って相手の正義を認めるつもりも毛頭ないのだが─。)

「───鬱陶しいんだよ、テメーは。勘違いすんな。俺はアイツに仕えた覚えはねェ。これ以上御託並べるつもりならテメーからぶっ殺す。」

(感情を逆撫でしたのは、やはり自身が憎悪する魔皇帝の配下という事実を改めて突き付けられた事に対して。更にぞんざいに捨て置けば良いものを、彼の律儀な性分故だろうか(或いは飽くまで魔皇国の未来の為だろうか)、決して無碍には扱わない態度に嫌気が差したように支えを振り払って脱出を試みて。人一倍触覚に優れた自身の皮膚は、逃げ惑う鳥獣たちの悲鳴を糧に幾分も力が増した相手の様子を否応になく察したようだ。)

「あァ?どっちも願い下げだ馬ァ鹿。1分で何とかしろイカレ野郎が。」

(彼の最大の武器である恐怖の支配は、最早理性を捨て去った獣相手に現状通用しないらしい。自身にとっては力を増幅させるもどかしい時間を相手に担がれたまま委ねることも、況してや敵前逃亡など真っ平御免のようで。前言撤回、何とも自分勝手だが選択したのは“自身が時間を稼ぐ間に、彼が確実かつ最短で力を蓄える”という第三案。決して口が裂けても言わないが、相手の力量を信用していなければ提案しない作戦であることは明白だ。倦怠感の伴う肉体がどれ程言う事を聞くかは未知数だが、稼働する左手で頂に突き刺していたクレイモアを引き抜けば揺動するように右方向へ屍の山を気怠そうに降って。当然ながら動く物を捕える本能を刺激された魔狼は自身の方へ襲い掛かり、地上と並行に据えたクレイモアと鋭く巨大な刃が交錯し鋭い火花が散るだろう。右腕の痛みも残る中で更に片腕しか使えない状況下では目に見えて押し込まれるのは理解していたつもりだったが。雑な捌きで何とかいなし、二度目の突撃に備えて姿を眩ませた魔狼の気配に神経を尖らせながら周囲を警戒し。この期に及んでその表情には悦楽が馴染み始めている。)

** 投稿日時:2023.11.26 09:59 ** [ 編集 ]
[ 63 ] ◆
** PC名:禍呵世怨(カカゼオ) **

(失笑のみで特に応答がないのを認めれば、鼻を鳴らしつつも同様の事を云い募るような真似は控えて。戦役の遥か後に生まれた相手には件の出来事など遥か昔のお伽噺のようなものなのかも知れないが、参加しながらも何の戦果も挙げられない儘、地獄等と云う言葉では生温い惨い様であった戦場(いくさば)から只逃げおおせてきただけである事を思えば、己と相手に然したる違いは無いとも云え。更に云えば一時期は戦役の悪夢に苛まれ、自死寸前に追いこまれていた身で訊いた『声』も、語る『正義』も主観や思い込みが多分に入ったものではあるが、自覚がない事、相手が異を唱えなかった事から、そこの辺りの問答はなされぬ儘で)

……今の貴様には無理な話だな。−ーまァ善い。儂も闘争は望まぬ。『弱き者は強き者に従え』。我等の国で最も強き魔皇帝に使い尽くされる時まで、許可なく命を棄てるなど罷り成らぬのだからな。

(相手の反感を買ったと知ってか知らずか、先程の理屈を繰り返し。口にする言の葉のみを辿れば如何にも魔皇国の未来、その主たる魔皇帝の為に身を粉にし、同胞に代わり彼の宿願を果たすを第一とする忠臣のようだが、其の口調はまるで予め用意していた台詞を只間違えないように諳じているかのような、ある種演技風な色を帯びてー今の今まで戦争の惨禍を熱に浮かされたように語っていた人間が(或いは其の光景を色濃く脳裏に思い起こしたせいかもしれないが)不意に態度に滲ませた『醒め』に、感情を乱された相手が気付けるかは判らないがー。しかしそんな僅かな色も、間もなく獣どもの『恐怖』を糧に押し寄せはじめた力の奔流に溶けてしまって)

気分屋め−ーだがまァ、疾く済ませたいと云うのは同意見だ。

(己の提示したふたつの案をはね除け(ある意味、弱っていても反骨精神は損なわれていない点に安心感さえあるが)、第三の策を挙げた相手が己の背から離れても、暫しの間其の場に留まり様子を観察していたが、鎮痛剤を丸々一本口にして痛みを和らげているとは云え歩行も億劫だろうに、足取りは気怠げながら微塵にも衰えない闘争心の滾りを魔狼と対峙する其の背中越しに受け、制止の必要がないと理解。真面に受ければ万全な状態にあってさえ腕が砕け折れるだろう爪の一撃を、相手が消耗した身で凌いでいる最中、魔狼の右目が己の瘴気に侵されているのを認め、死角となっているだろう魔狼の右方向に駆け出せば、瘴気の太刀を片手で大振りに。此度は出力範囲を更に二倍、三倍に広げ、漆黒の霧を森の中に放てば、周囲3メートルにまで撒き散らされた瘴気は更に風に乗り、森と其の中の生き物を侵食していって。通常ここまで埋めれば恐怖を喚起させる効果は薄いが、相手はヒトより単純な獣の上、既に多くが『恐怖』に屈している状態。更に恐慌をきたし、悲鳴のごとき鳴き声がその音響を増していき、それに乗じて己が肉体もまた膂力が高まっていくのを感じて)

** 投稿日時:2023.11.29 03:08 ** [ 編集 ]
[ 64 ] ◆
** PC名:シシバ **

「…まるで家畜だな。精々飼い主サマが俺みてーなのに手ェ噛まれねーよう、ナカヨクしようぜ。」

(『弱き者は強き者に従え─』歴代の魔皇帝が掲げ、魔の民の根底に深く深く根付いたその言葉は自身の生き方においても例外ではない。彼の口からそれを聞くのは珍しいことではなかったが、壊れた玩具に抱く痛々しさのような感情が決まって湧いたのを訝しげに思っていた。今回もその限りではなく、寧ろ違和感を確信させるような感触に近かったかもしれない。それが身を滅ぼすほどの絶望に苛まれた彼が生み出した、彼自身を守るための防御反応なのかどうか知る由も無いが。率直に抱いた“家畜”という印象を悪怯れる素振りもなく吐き捨て、相変わらずの反骨精神を剥き出しにしながら。
そして、鍔迫っている間に黒い刃の一撃が右方向から魔狼に迫る。未だ侵されていない魔狼の左瞳が刹那だが慄くように瞬いたのを見逃すことはなく、相手の一撃が有効打となって後退するに至ったのだろうと。自身も例外なく森を侵蝕する瘴気に抱かれるが、今は未だ気味の悪い冷気くらいの認識に留まっている。森が鳴き、恐怖が恐怖を呼ぶ異様な空気感は自身の皮膚をぴりぴりと刺激するが、努めて意に介さず突き立てたクレイモアの刃に牙を沿わせ僅かばかりの神経毒を垂らして。)

「──退け!!」

(一瞬の凪──。嵐のように再び相手の後方から現れた魔狼に舌打ちを溢し、粗雑に相手を押し退け庇い立つようにして魔狼との間に立ちはだかることが叶うなら、上半身が巨大な口に収まり凶悪な牙が容赦なく肉体を襲うだろう。全身が軋む中、どうにか力づくでクレイモアをその口内に突き入れるが、長くは保たないと相手に合図して。)

「とっとと…ッ、やれ!!!」

** 投稿日時:2023.11.30 15:29 ** [ 編集 ]
[ 65 ] ◆
** PC名:禍呵世怨(カカゼオ) **

家畜生活結構ではないか。善悪も何もかも有耶無耶に移ろう世界で道を切り開かねばならない『恐怖』を味わうより、絶対的な誰かに支配され、只決められた全てを享受する方が、見方を変えれば『幸福』かも知れぬぞ。
お前にとっての『幸福』とは何だ?『飼い主』にも何にでも噛み付く其の剥き出しの牙は、如何すれば収まる?

(一通り話を訊き、眉間に縦皺を刻んだ挑発的な凶貌を向けた壗己の在り方について下した総括的評価を見るに案の定価値観の差から理解されなかったようだが、悪し様な表現に目を瞑れば其の『家畜化』をあまねく世界に行う事が自らの願望に他ならず、歯を剥き出しに嗤ってみせれば、搾取される運命を受け入れれば支配される生活にもひとつの安寧があるという旨の反論を。一方、己の方は時に味方にすら向けられる相手の破壊衝動の出処と向かう先を測りかねていて。死屍累累の惨と屍臭を友とするような生き方をする相手が、権力を得て魔皇帝に替わり国を支配するというような俗な目標を掲げているとは思えず、相手が云うところの『飼い主』を襤褸雑巾として踏みつけにすれば収まるのかと、捕食者然とした褐色の凶眼に問い。
さて『幸福』の形を問答する一方、森は屍と腐臭放つ瘴気に溢れ、最早現世と隔絶し、幸せとは程遠い阿鼻叫喚の地獄と化しており。獣や魔物どもは己が苛まれる恐怖が何によって喚起されているか気付かぬ壗、行き過ぎた防衛本能で其れが同胞かどうか判別する余裕もなく狂乱状態で襲い掛かったり、心的外傷のあまり己の脚を貪り喰う絵図に、かの魔狼も恐れを成したーーと、今迄己が操る瘴気に屈しなかった相手を侮る程能力にかまけてはいないが、然し油断はあったのかもしれない。静寂から急に戦局が動き、朱の双眸に動揺が浮かんで。其れは掻き消えた魔狼がいつの間にか背後をとっていたからではなく、幾ら己に頼らねばならぬ状況と云えど、相手が己に対し庇い立てをするなど想像だにしていなかったからで)

貴様ーー

(呆然とするが、隙を逃すなと合図されれば背に瘴気で形成した黒翼を広げ宙に舞い上がり、其の大剣ごと相手を噛み砕かんと顎(あぎと)に万力の力を込める魔狼の頸上に舞い出でて。太刀を天に掲げるや否や、両手で太刀を握り急降下の勢いの壗飛行状態の壗太刀を向こう側までザン!と貫く程に突き入れたなら、瘴気散布を優先し損なわれた切れ味を魔物どもの恐怖で増大した膂力と移動のエネルギーで補いつつ、進行方向にある肉と骨を無理やり断ち割りながら反対まで切り裂かんと、脈打つ血管を膨れ上がった筋肉に走らせ、雄叫びあげて力任せに太刀を奮い抜ける!大もし魔狼が目の前の肉(テキ)を喰らう事を優先しもうひとりの攻撃行動に対し防御策を打たなかったなら、頸は鮮血を迸らせながら胴から別れ宙を舞うだろう!)

** 投稿日時:2023.12.04 05:18 ** [ 編集 ]
[ 66 ] ◆
** PC名:シシバ **

「幸福だァ?ハッ!イカれるどころが腐ってやがる…!」

(家畜とは野生から切り離され、形や習性を変えられた動物。だとするなら、絶対的支配者である魔皇帝が敷く社会制度や文化的環境によって飼い慣らされ、それに適応して自らを変えてきた魔皇国国民も、「家畜の一種」と見なされるかもしれない。相手の言う通り、柵の中の平安を享受することもまた幸福と呼べるだろう。だが、思考することを諦め、生物としての耐性を衰弱させられていく種は果たして“生きていると言えるのだろうか”。それらを言語化するほどの知識も教養も自身には無く、怒りを通り越して失望のような感情が湧き上がるが今は未だ悪態を吐くのみに留め。

この世に地獄があるとしたら、病のように生命を侵し尽くしていく今の惨状が近しいのかもしれない。最も魔狼の体液に塗れ想像を絶する悪臭の中、身体を軋ませる牙の圧力に耐えるこの状況もある意味で地獄と呼べるのかもしれないが。相手を庇い立ったのは飽くまで戦況における最善を選択したに過ぎず、そこに特別な感情は無かった筈だ。それでも自身の選択に動揺したような相手の表情を垣間見るなら、まんまと鼻を明かしてやったと言わんばかりに笑みは深くなっただろう。最早状況は不明だが、自身を噛み砕かんとする顎の力が一瞬緩まるのを察すれば相手が攻撃動作に入ったことを悟る。此処で功を奏したのが微量ながらも刃に纏わせていた蟲の猛毒、自身がそれ以上の抵抗をせずとも神経麻痺の症状を齎し、相手が瘴気の刃を確実に振り下ろすまでの数秒間を稼ぐことに繋がり。
そして、大地そのものを震わせるような一際大きな衝撃が全身に伝わるなら、間も無く全身を黒い瘴気が包み込んでいく。会心の一撃が魔狼を屠った何よりの証左だった。再び、凪──。先よりも鮮明にエルフの女性が涙する姿が浮かび上がり、彼女の背後には泣き叫ぶ幼女の姿もあった。確かに見覚えは無い筈なのに、その映像は強烈な既視感を抱かせるのと同時に自身の瞳は恐怖に慄いたように揺れていた。)

「──俺は幸福なんざ要らねェ。このイラつきも…、気に食わねェヤツも何もかもぶっ殺したら、喜んで…死んで、やる…よ…。」

(ずしりと地を震わせながら巨大な魔狼の首が陥ちる。無機質な音を立てて転がるクレイモア、返り血に染まった隻腕の男は未だ亡霊のようにその場に立ち続けていた。瞳に宿った恐怖はもう無かったが、瞳から流れる一筋の鮮血が涙のように伝っていく。文字通り満身創痍ではあるが依然として殺気立った褐色の双眸にて、相手を見据えるなら先程言い掛けていた自身の行動原理・存在意義を宣言する。相手が察したように、決して新世界の神に成り代わるなどと大それた野望は微塵も無い。暴虐で刹那的、そして相手の主義主張との永遠の決別を示すような、確かな強い意志すら感じられるかもしれない。が、糸が切れた人形のようにその場に倒れ込んだのは直後のこと、限界を超えた肉体を繋ぎ止めるだけの精神力すらも使い果たしたようだ。暫くの間は、恐怖の蟠が渦巻いていたこの周辺には魔狼以上の強敵が現れることは考えにくいかもしれない。意識を失った同胞をこのまま捨て置くのも、苦労して共に連れ立つのも相手の“自由意志”に委ねられることになるのだろう。)


>退室


** 投稿日時:2023.12.06 06:41 ** [ 編集 ]
[ 67 ] ◆
** PC名:禍呵世怨(カカゼオ) **

家畜の安寧がお気に召さぬか?魔皇帝の教えこそ『絶対』と信じる者どもの中にあって。……"だから"馬が合わぬというのだ。お前は『恐怖』を知らぬ。

(己が吐いた『幸福論』に嘲笑を以て応じる姿からは、普段のような挑発目的の軽口とは異なり、相手なりの考えや感情が見え隠れするようにも思われたが、確固たる思想を以て異を唱えているのであれ只の挑発であれ、自ら思考し所業について全ての責任を負うより、絶対的権力者に行動を支配され、命じられる壗に生きている方が、何かあっても『元より自分は支配者の為に命を遣われる運命だったのだ』と諦められる訳で、余計な思考をしなければ『恐怖』を避けられある種の『安心』を得られる。其れを『腐っている』と揶揄出来るのは、相手が『恐怖』を知らないから故だーーという結論は変わらず。そも己の語る『弱き者は強き者に従え』という魔皇国特有の弱肉強食主義の解釈も、魔皇帝の考え通りかは判らないだろうが、間違っているのではなどと己を顧みてみる気は微塵もない為、魔皇帝直々に否定されない限り、相手が間違っているという一点張りだろう。だが……)

……此奴、今……。
……フン、そんな筈はないか。
だが、相も変わらず何度も同じ事を云わせる奴よ。何もかも殺すと宣った矢先、手前だけ頽れて如何するのだ。全く……。

(確実に頚を斬り落としたと視覚でも太刀から伝わる骨肉断ち切る感覚からも感じていたが、大地を震わせ地に伏した魔狼が確実に絶命していると確かめるように、改めて其の死骸を一瞥。【怨念】の能力を解除すれば、森の命という命に根差していた黒い瘴気は悪夢のように消え去って。膚が血に染まりさながら鬼神の如き様相となった相手は、満身創痍ながら其のままこの森ーーいや、ここら一帯全てを破壊しだすのではないかという程の殺気に満ちており、浴びているだけで緊張に汗が噴き出し、口腔の渇きに思わず唾を呑む程であったが、流石に限界だったのだろう。己への決別と決意の表明を兼ねる演説を終え、其の場に頽れる相手に静かに近付いていきながら考えるのは、先程の事。

人間の負の感情に敏感な己は、相手の双眸にほんの僅か、何か恐れのようなものが浮かんだのを感じとっていて。
勿論己には其れが何処からきたのか、どんな対象に対するものかは判らない。だが一般論として、過去のトラウマの影響で暴力的な性格になってしまうというのはある事実で。ややもすれば相手の攻撃的な性格もそのような過去があっての事やもと想像するが、今考えても詮ない話。魔狼の頚を獲る前、己の驚愕面を見て満足気に口唇に弧を作っていた様子は癇に触るが、愚痴を溢しつつも当初の約束は守り、魔狼に襲われる前のように相手をおぶりなおせば、生き残った生き物達が呆然と残された死骸の山を見詰める中、道なりに魔皇国まで歩みを進め。かの国に戻ったなら、然るべき機関に繋ぎ、治療をさせるだろう。再生能力があるとはいえ、此処までズタボロなら処置は必要と判断したからであるが、目覚めた時、相手が唯々諾々と応じ続けるかどうかまでは不明だし、関知出来ないところで……)

>退室

** 投稿日時:2023.12.09 01:30 ** [ 編集 ]

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