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[ 1 ] ◆ 黒の宮殿 中庭
** PC名:***** **

黒の宮殿内にある中庭。庭師達が丹精込めて育てたという特殊な気候にも負けず適応した花や木が植えられ、城内の者達が休憩も可能なようにと石造りの長椅子や中庭の中央にはアンティーク調の鳥籠を模したお茶会が出来る東屋も建ててある。


※黒の宮殿は警備が固められているため侵入は容易ではない。

** 投稿日時:2021.09.20 10:55 ** [ 編集 ]
[ 64 ] ◆
** PC名:松 **

理想の死に方か。我も生きている故に、いつかは死に絶える命であるのだろうけれど、あまり最後の時を考えたことは無かったな。気が付いたら発生していた。だからきっと、気づいた時には消えているのかもしれない。
(周りの環境に流されるまま生きてきた自分。そしてそれはこれからも変わらないだろう。まだ生きようと思っていても、動物や虫にダメージをもらえば腐ってしまう事だってあり得る。しかし、朽ちた身体からまた新たな芽が出てくることも考えられれば、いったい自分の死はどのタイミングを言うのだろうかと少しばかり考える。伸ばした手を振り払われれば、笑顔はそのままに手は素直にひっこめて)
我は大体太陽の明かりに従って生活をしているが…この場所はいつも薄暗いから起床時間もずれてしまうのかな?…あぁ、これは失礼。動物たちは接触に敏感であったな。我は触れられるときに許可を求められたことが無い故、触れるには断りが必要ということを失念していた。
(払われた一瞬の接触で治療も出来たかもしれないけれど、のんびりとした性格のせいか気づいたときには払われているという状態で。目に見えて不調であったり、痛そうな傷があるわけでもなさそうだし、大丈夫だろうと心配しながらも、手は座っている自身の膝の上に置いて)

** 投稿日時:2022.12.05 17:02 ** [ 編集 ]
[ 65 ] ◆
** PC名:コンスキウス **

元が樹木でも衰える前兆くらいあるんじゃあないのか。だいたい動物、ヒトだって自我の確立は肉体の発生より遅い。その時間差を言葉にするなら気が付いたら発生していた、だ。だからお前の死も明確な区切りはあると思うぜ。(能力により知覚するものは思考であって魂そのものではないのだが物心付く前から根深く存在する第六感覚を抜きにものを考えることはできず、自分の体験に留まらない複数の実例を知っているような口ぶりをしてしまって。そうして払い除けた手が素直に引き、しかし拒絶したにも関わらず笑顔のままでいることにますます眉間の皺を深めて。事実無根と跳ね除ける程度の気力はあれども眠れなかったという弱みを見せてしまった以上、それを利用し取り入って利益を得ようとする下心があって当然だろうに。一貫して利己的な素振りのない思考は自分の常識の外のもの、或いは無いものとして扱う本性が彼の振る舞いを羨ましいなどいうふざけた情動を呼び起こすから、嫌に棘のある調子で相手のことを咎めて)お前は自分の枝葉や花や実を勝手に触れられて嫌だと思わないのか。お前が樹であるならヒトも動物もお前の体を食らうだろう、お前がなければ声を上げないからと、お前がいても逃げられないからと。それを是としているのか……ただ食われる弱者の分際で。

** 投稿日時:2022.12.07 22:02 ** [ 編集 ]
[ 66 ] ◆
** PC名:松 **

そうなのか?生まれた瞬間から立ち上がろうとしたり、母親の胸を目指したり。誕生とともに何かしらの意思が働いているのかと思っていたが…確かに暫くはよく目が見えないと聞いた事もあるな。うーむ。
(生まれた時から動き出す動物、その瞬間を見た事があるせいか相手の言葉には驚きをもって返答するが、いつかどこかで聞いたらしい幼子の特徴を思い出せば少し難しそうな顔で腕を組む。そのまま顔は相手に向けたまま目を閉じて)
その身体、その幹は老木でも、その年に伸ばした枝からは新芽が伸びる。花を付ければ虫が実りを手助けし、小動物が種を取り込んで遠くへ運ぶ。たとえ大きな手が枝を手折っても、その枝が大地に刺さりそこで根を張ったなら、新たな命が始まるのだ。…うむ。我は弱い。我単体で命を繋いで行くことは困難で、お主の言う弱者なのかもしれぬ。しかし他者の手伝いを得て生き残る術、生き残って行くという事においては、圧倒的なしぶとさであると思わないか?
(自分で言っていて楽しくなったのかフフフと笑えばまた相手を見る。本当ならこうして対話することも難しかったであろう事を思えば何をしても楽しいのかもしれない。笑顔で相手を見つめつつも、少しだけ落ち着いた声色で)
…案外、我の最後は俗に言う老衰では無く、物理的にあけられた穴が起因するかもしれぬ。我が彼らを利用するように、彼らも我をねぐらとして利用する。追い払うには近すぎて、難しい関係よ。…しかしそんな未来も悪くない、受け入れていると言うと…ふふっ、また怒られてしまうのかな。
(相手から飛んでくる棘のある言葉、それが何だか自分を心配してくれているような気がすれば全く堪えた様子もなく、逆になんだか嬉しそうな顔で)

** 投稿日時:2022.12.09 13:11 ** [ 編集 ]
[ 67 ] ◆
** PC名:コンスキウス **

……。そうやって増えたお前はお前じゃないだら。別々の根を持つ、育つ土も取り込む水もお前と同じじゃない別の生物だ。お前はお前限りで、死は絶対…。(死は絶対という言葉が今の魔皇国においてどれほど空虚な言葉か。我が皇と仰ぐ兄の姿をした何かが脳裏を横切り、ため息と共に首を横に降って。魔族全体の繁栄ならばともかく、己の子を残すとなると前向きになれる理由がないことも彼の言葉に頷けない一因で。政治闘争の火種になりかねない立場に加え、魔族として破綻した気質までも受け継いでいた日には自分一人で頭を抱えるだけでは済まないだろう。苦々しく表情を歪め。笑い声に混ざる思考に怒りより困惑が先んじ、瞬きを挟んでから生じていない苛立ちを肯定し。臆病さ故に死を拒む己が唯一許容できるかもしれない死のありかた、兄を愛するが故に兄から与えられる死を想起したなら脈絡なく愛などと言葉に出して)ああ、…ムカムカしてきた。理解できない。お前が弱いからか、動物と植物の違いか、同種を守る責務がないせいなのか。なぜ死を受け入れる、それがお前の愛とかいう言い訳でもするのか? 馬鹿馬鹿しい。

** 投稿日時:2022.12.10 22:06 ** [ 編集 ]
[ 68 ] ◆
** PC名:松 **

うむ。死は絶対。それには完全同意するしかない。故に続く意識が自分のモノとは違っても、未来を若い芽に託すのは自然の事かと思うのだが。…同種を守る責務か。それは感じた事が無いかもしれぬ。植物の意識を感じる事は出来るけれど、他の植物とは、今お主としている様な会話をした事がないからなぁ。
(相手の言葉に頷きながら同意を示しつつも、基本的に受け身で撃退する術を持たない植物として、落とした種のその後を見届けることは出来なかったし今もしていない。故に数を作るわけだけども。と、素直に思っていることを口に出す。性格なのか、種族のせいか、仲間意識は割と薄いようではあるが、同種とも会話をした事が無いかもしれないと改めて気づくと少し寂しそうに。しかし直ぐに笑顔になって)
…ふふふ。いつか終わりが来る事実を認めては居るのに、素直に受け入れるのは難しい様子であるな。いつか来る、しかしいつ来るか分からない。終わりのために今をどう生きるのか。望む形で終わるために、どう行動するのか。…それとも、終わりを受け入れるわけにはいかないのだろうか。
(相変わらず笑顔のままで、それでも声色は落ち着きが強く。ムカムカして来たという相手の言葉を素直に信じてはいる様子なのに、一旦立ち上がると座り直すような形で半歩程、少しだけ距離を詰めて座り直し)
愛や、恋と人は言う。それがどう言う事なのか、どの様な感覚なのか、我には分からない。しかし、こんすきうす。お主の言葉を聞くならば、愛があれば人は死を受け入れるのが簡単になるように聞こえる。…教えておくれ。お主の言う愛とはなんだろうか?

** 投稿日時:2022.12.12 14:01 ** [ 編集 ]
[ 69 ] ◆
** PC名:コンスキウス **

その区別は付いているのか…。まいいや、草的にも話す草は珍しいもんなんだな。アイツら動かない分だけ草語でめちゃくちゃ話す、と思ってたぜ…お前みたいにな。(魔物に片足を突っ込んだか頭の先までどっぷりかはわからないが見上げる大樹や怪しげな花々の思考らしきものを聞き取ったこと何度か。動かなぬ植物の中にある騒々しさはやはり同種だからといって理解できるとは限らないらしい。発言の修正をしつつ、草木の思考などいう得体のしれない異様な思考を知覚した際の不快感を思い出したならそれはそれで嫌そうな顔をしてしまって。座る位置を一際近付けたなら色ガラスでできた右目が細い灯りを拾い、生きているかのように明るさを帯びるのが見えるかもしれない。職人らがいかに生物的に仕立てたところで右の目に瞬きはなく、深く焼けた肌との落差もまた大きなもので。先ほどより近づく彼に舌打ちを一つ、外套の下で皮膜の翼を中途半端に伸ばして再び折りたたんで)当然だ、俺の主人は死ではなく我が皇ただお一人。俺はあの方のためなら絶対にも抗ってみせるさ、愛故にな。…愛とは言い訳だ。道理を捻じ曲げ、本能に背き、自らの死も許容させる狂気。俺ほんとは誰かに頭を下げるなんて死んでも嫌なんだぜ…。

** 投稿日時:2022.12.14 22:07 ** [ 編集 ]
[ 70 ] ◆
** PC名:松 **

お主も会話を行える植物には出会ったことは無いのか。我が初めてか?それなら光栄であるな。…確かに、我らは感じた事をそのまま態度に表すモノが多いかもしれぬ。おしゃべりと言えばお喋り…なのだろうか。
(相手が何を考えているのか分からないまま、魔物なのか怪異なのか、己でさえもどう分類するのが正しいのか分からない存在で。声を持たない植物、故に思考が発言と同じと考えられる彼らの事を考えれば、うーん、と腕を組んで考え込み。自然な動作で相手に近づいた時に見えた右目の光に気づけば、ただ一言「綺麗だ」と強く思う。何故左右で光が違うのか、変わってしまった原因や理由を知らない右目の輝き、それを見て純粋にそう感じただけであるが、発言したわけではなく、それに名詞が付かなかったことから、相手には何を見てそう感じたのか分からないままかもしれない)
皇、とな。誰かに頭を下げるのは嫌だが、皇の為なら良しとする、という事かの。それよりも死を主人と仰ぐモノもおるのか?…不思議だ。死とは存在するものでは無く、現象であると思っていたが。お主の言葉を聞くと、愛も不思議なものに聞こえるな。今までは良いものであるように聞こえていたけれど「狂気」なんて表現されるとあまり良さそうには感じないな。…いや、死への恐怖を薄れさせる劇薬と考えれば悪くは無いのかもしれぬ。
(人の考えは難しい。今まで聞いてきた話も参考にすると良いようにも悪いようにも聞こえる。どちらを信じればいいのかと迷うが、人によって考えやとらえ方が違うのは当然なのかと思い至れば、少々複雑そうな顔をしながらも納得するように頷いて)

** 投稿日時:2022.12.15 10:52 ** [ 編集 ]
[ 71 ] ◆
** PC名:コンスキウス **

……草と話したことはない。いつかは遭遇すると思っていたがこんなところでとは思わなんだ。ていうか友達ができるくらい忍び込んだのかお前…意外としぶといな。(他者の思考を覗き見ることを対話とは呼ばないだろう、それが物言わぬ草木の魔物の類でも。嘘ではないとざわめく良心を無視して話を進めよう。 彼がこの庭に来たという理由として中々困ったことを言っていたと思い返し、ため息を吐いて。強く思えばことさら明確に聞き取りやすいもの。素朴な賞賛に目を伏せ、職人が作り上げた部分であるから賞賛はあって然るべきと比較的素直に受け止めて。己の目を作り出した技師の分まで返事をしようと口を開き、言葉にはしていないのだからと思いとどまり開いた唇を閉ざして。生来持ち合わせた人格そのものが魔族としては異常なものである事実はさておき、異常性を加速させる必要がないことも確かだったこと。父や母や周囲の者がそうであったように自らの益になるものだけを愛していたら少しはマシだったかもと無益な仮定が脳裏を過ぎ、微かに左目を伏せて。そして火傷で触覚の多くが損なわれた右の頬に爪を立て、指先に引っ掛かる火傷のざらつきに意識を向け平静を求めて)死云々は比喩表現だよ言わせんな。……俺が愛するものは力や強さくらいで、それ以外は人格が歪むだけの異物だ。それが今はこうな上に死んでもいいとかいう無責任まで言うのは…正しくない。ああ、劇薬だよ。

** 投稿日時:2022.12.17 15:24 ** [ 編集 ]
[ 72 ] ◆
** PC名:松 **

む?それは褒められているのか?…ははは。忍び込んだという自覚は全くなかったが、立ち入りを制限されている場所だったのならそうなってしまうな。
(しぶといという言葉には軽く小首を傾げて何処か自慢気に問いかけつつ、忍び込んでいるという事実には、反省しているのかいないのか、声を上げて笑う。そんな時間も楽しいな、嬉しいな、と気持ちを弾ませながら、穏やかな笑顔のままでキラキラと輝いている瞳を見つめれば、その視線は相手を真っ直ぐに見つめることになり)
おや、比喩であったか。ふふ、言葉とは難しいな。異物だとか正しくないとかお主は言うが、我からしてみればお主もまた等しく、人であると思うぞ。劇薬と知りつつ自ら進んでソレを飲むことが出来るなんて、人以外には知り得ない故な。…なぁ、こんすきうす、もう少し近くに寄っても良いだろうか?具体的に言うと隣に行きたいのだが。
(動物達にも愛や、家族を慈しむ行動は見て取れるが、悲しみに衰弱する事はあっても自死するモノは見た事がなかったゆえに、相手が自身をどう例えようともその本質は人であるように感じて。そのままもう少し近くに行きたいと尋ねつつ、少し眉を下げて返事を待ち)

** 投稿日時:2022.12.18 08:41 ** [ 編集 ]
[ 73 ] ◆
** PC名:コンスキウス **

その調子でまだ死んでいないのは…才能はあるんじゃないか。よその城なら開かれてる庭もあるけどウチはそういうのやってないから忍び込む奴はあんまり、おすすめもしないぜ。(熱心に見てくる理由は思考の声として目に届いているものの人体にはめ込まれたガラス球の何が面白いのかまでの理解には色々足りず、義眼の中に仕込んだ魔力晶石に引き寄せられていると思うほうがまだすんなりと受け入れられるかもしれない。本当ならよく見られている右目を反らしたいがあまり動く類の義眼ではなく、代わりに左目は明確に明後日を向いていて。そんな調子で何度目かほだされかけた心情に自ら釘を刺すため突き放すように立ち上がり、もっと近くにという些細な要求に対し無視という返事を返して。思いのほか長く話し込んだからか宮殿からは眠りから覚めた者共の思考が緩やかにだが流れ込んできていて。朝っぱらから鑑賞するだためだけの庭に出てくる者は少ないものの自分と会話しているところを見られたら面倒だろうと、振り返らないまま見逃すための言葉を投げかけてしまって)支配者に人間性は不要だ。強さがあれば事足りる。……もう帰れ、人が出てくる時間だ。

** 投稿日時:2022.12.19 23:42 ** [ 編集 ]
[ 74 ] ◆
** PC名:松 **

…それは…褒められている…のだよな?たぶん。…ふふ、心配もしてくれて有難う。
(才能があると言われるとすぐに嬉しそうに笑顔を深めるが、誉め言葉で良いのだろうかと確認しようと口にして、後に続く言葉にはきっと心配してくれているのだろうと深く考えずに感謝を。そしてキラキラと輝く瞳、それは水面に反射する日の光のような、夜空に輝く星の光のような。似ているな、と想像する光は見た事がある自然のものばかり思い浮かべ)
人間性は必要ない?…そうだろうか。良く分からないが…お主が言うなら、そうなのだろうな。…おや、もうそんな時間になるのか?あっという間だ。とても楽しい時間であったな。
(人間性という物がどういった物なのか詳細に分かるわけではないけれど、それでもやっぱり相手には優しさがある気がして。人が出てくると言われると周囲を見渡すが、曇り空の為に時間の経過が今一つ分からない。しかし相手の言葉を素直に信じれば自分も立ち上がり両手を合わせる。そこから生み出した種に力を入れれば、スルスルと芽が伸びて、鮮やかな赤いバラの花を咲かせて)
人の家の庭には、この花が多く咲いている気がするから、お近づきの印にお主にぷれぜんとだ。…と言ってもそう日持ちはしない故、すぐ捨てる事になってしまうかもしれぬが。…今日は有難う、こんすきうす。また遊びに来るから、その時はまた、沢山お喋りをしよう。今度は隣に座れたら、我はとても嬉しいぞ。
(本来プレゼントするなら切り花としてあげるべきなのだろうが、種から即席で育てたおかげで枝も自由に伸びているし、棘や根だってついたままで1つの茎に複数の花が咲くというプレゼントとするには少々不格好な形のまま。しかしそれが自然の姿、自分の中では一番いいと思っている様子で、それを地面にそっと置く。そして相手が散々忠告してくれたにも関わらず、分かっているのかいないのか堂々とまた来るよと宣言すれば、身をひるがえしカランコロンと軽快な音を響かせて離れ、高速移動をする前に、一度振り返って大きく手を振ってからその場を離れて)>退室

** 投稿日時:2022.12.20 18:02 ** [ 編集 ]
[ 75 ] ◆
** PC名:コンスキウス **

……別に…。ここに死体を転がしておくと結局俺の仕事になる。さっさとよそに行け。(こうして言葉を交わした相手に情を持ち、万が一死したならきっと見過ごすことはできないだろう。ついさっき口にしたように本来不要のヒトらしい甘さが故に言い訳の他に言葉を発することも振り返ることもできずにただ立ったまま。東屋の支柱に立てかけた魔剣の柄に手を添え、その冷たさに意識を向けることで形ばかりが目を模した右の義眼を自然美と結びつけていた思考を振り払おうとして。背後でなにやら不思議な動きをした後、カラカラと特徴的な足音で立ち去る彼がどこに向かうかなどを意図的に追いかけることなく、庭に再び静寂が訪れてから息を吐き出して。一呼吸ほど思案した後、彼の置き土産である根付きの薔薇を手に取って。一本の枝から複数花開く薔薇はこの国で半ば無理矢理咲かせてはこうならないような力強さに見え、左目を細めてしばし感傷に浸ろう。鋭く伸びた棘も細かく伸びた根も生物としてあるべきに他ならない姿で、これらを切断して水差しに入れただ枯れるのを待つのは忍びなく思ってしまって。朝っぱらから何をしているのかと頭を抱えるほど甘ったるい判断で受け取った薔薇を庭園に元からある薔薇の花壇に寝かせて置いて。不夜番の交代から始まって目覚めつつある宮殿、庭師が出てきたならこの薔薇もたぶん植えてくれるだろう。少なくとも自分の手で根と棘をむしり取るよりは長生きする目はあるはず、そう自分に言い聞かせて。そうして人が来るより先に自分もこの場を後にしよう、自分は灰を被っていてもこの庭が好きだがそれは受け入れられる趣味ではなかろう。人のいない廊下を選んで一度自室へ戻り、何事もなかったかのように一日をはじめて)>退室

** 投稿日時:2022.12.22 01:27 ** [ 編集 ]

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