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[1] 夢から醒める。
By 紅魚
08-03 08:51

こぽこぽと水の泡
はたかれた頬が膨張する。
見上げれば花火。
あんまりざわめくから、
極彩色の水面が
炎上げてざぁざぁと燃えるのかと思った。

それは培養少女の孤独にも似て、真白いプゥルの水宙で水面のぎらぎらを睨みながら花が開くまで待っているしかない類いの焦燥。

先刻から水ばかり呑んでいる。
食べられないのは眠りから醒めたから(さまされた、かもしれない)。
クラムボンは笑ったけれど、
あたしは笑わなかった。
だから、
クラムボンが死んだって
あたしは死なない。


取り違えたのだね、

夢の中だったね、

爪先が、冷たいからね

あと少し、だったけれど、
けれど、

だって貴方、
冷めた浴そうの匂いがするのだもの。


水が澱めば金魚は死ぬから、
手遅れになる前に
幕切れを一つ。

あたしだけが悪かったのなら良かった。
責めずにすめば良かった。
突然の雨に忘却が溶けていれば良いと思う。
それだけ、
最後に願えたから許して。

始まりの音を待っていた。
片隅で待っていた。
聞こえたなら
万華鏡回すみたいに追い掛けてと笑おう。

水ばかり欲しいのは眠りから醒めたから(さまされたのかもしれないけれどどちらでもおなじこと、
じゅどうとのうどうはあたしのなかでいつもとなりあわせ)。

ねぇ、猫、行こうよ。
もっと温かいところに、だよ。
ほら、気配がする、
待たれてる、
きっときっと、待たれている、

浄化を、
果てしない海の浄化を。
残るのは疵と涙と想い一つ。

それは培養少女の孤独にも似て、
舞い上がる花火に焼かれたいような純粋の焦燥。

瞼のない双眸は、
内側から温めて
結露させてくれなくては、
泣くこともできないから、
そこに辿り着くまでは
クラムボンが死んだって、
あたしは死なない。


V803T
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[2] By 紅魚
01-09 16:25

さよなら、さよなら。
あたしは、死なない。


810SH
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