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[1] 落日
By 紅魚
06-28 19:10
頼りない日差しでも
背に受ければあたたかいものですね
道を踏み締めた時のじゃりじゃりとした違和感は
緑色した瓶の破片でした。
靴底にはりついて
それからはら、と飛んでいった
黄色のラベルが目に痛い。

ちらちらと後ろを気にしながらも
歩いて行くしかないのです。
だって、
離れても離れても、
きっと、
この熟れ過ぎた空の全容なんて見えないのだから、
と不意に理解した、
図書館からの帰り道、夕刻前の隙間、十五分。

鞄に詰めた本が肩に重くても、
出来ることなら全力で走らなければならない、
という決まり。
立ち止まったら、次の一歩は三億歩分の歩幅が必要だって、
そういう決め事。

忍び寄るヘリオトロォプの毒が休めと命令する前に、
はやく、はやく、
もしかしたら
向こうに見える風景の書き割りにぶつかって
何かに気付いてしまうまで、
出来るだけはやくはやくはやく!!

ね、
くるりと一度だけ振り返って睨み付けたなら、
あの馬鹿げた落日が一瞬にしてすとんと垂直落下すれば良いのにって、
思ってしまったあたしはいけない子かしらん。



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[2] By 紅魚
07-31 02:09
九割方、事実と、実感。
立ち止まらない強さが、欲しかったンだ。
V803T
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[3] By XXXXXXXXX
08-21 13:39
図書館からの帰り道、ということは受験前の、つまり高校生でしょうか。

何かに捕らわれているような、しかしぬるま湯のように暖かく、力を奪う平穏、閉塞感。世界は実は偽物でとても狭く、そこの風景は書き割りかもしれない。
捌け口の見つからない、若いエネルギーが、この偽物の世界を振り切るように、自分を走らせる。
そんな気持ちは、誰しも感じたことがある筈。それが生き生きと伝わってきました◎

僕も高2のころ、チャリで家出して三つ先の県まで行ったことがあります。勢いだったので、所持金は1000円でした…。
それも、落日を見ていたら、でした。
W42H
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