01/04 12:19
「BOOKS○」
きよ美
石垣りん詩集
表札など
わたしが憧憬の情をいだく女の1人
もう1人は幸田文です
(わたしと格がちがいすぎるなあ、まったくまったく)
石垣りんの詩はわたしに、ただただ印象を与えて去った
間違いなく女の詩だけど人間と獣のにおいがするのだ
そこに惹かれたと思う
しなやかにしたたかに凛と背筋をのばす女の獣
飾らない言葉はどんなときでも快いと思える
石垣りんはそれをよく知っている
表題作「表札」
自分の住むところには
自分で表札を出すにかぎる。
自分の寝泊まりする場所に
他人がかけてくれる表札は
いつもろくなことはない。
病院へ入院したら
病院の名札には石垣りん様と
様が付いた。
旅館に泊っても
部屋の外に名前は出ないが
やがて焼場の鑵(かま)にはいると
とじた扉のうえに
石垣りん殿と札が下がるだろう
そのとき私がこばめるか?
様も
殿も
付いてはいけない、
自分の住む所には
自分で表札をかけるに限る。
精神の在り場所も
ハタから表札をかけられてはならない
石垣りん
それでよい。
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