投稿日09/14 23:52
「俺と世界と」
琥珀
「おい、お前の命と世界、どちらか一つだけを救ってやろう」
「は?」
唐突に声を掛けられたが、どこから声を掛けられたのかが分からず、辺りを見渡す。が、誰も居ない。
「気のせいか…」
「莫迦め、上だ」
上…?
「うお!」
天を見上げると、神様がいた。顔、格好、雰囲気。初めて見たのに、すぐに神様だと分かってしまった。
「お前の命と世界、どちらか一つだけを救ってやろう」
「…は?」
姿は見えても、言っていることは意味がよく分からない。
「お前が死ぬか、世界が滅びるか、選べ」
「え…?」
なんで、いきなりそんな選択を求められているのだろうか。しかし、分かる事がある。こいつは、マジで言っている。
理由もないが、本気だという事はなぜだか理解できた。本気で、どちらか一つだけを救うつもりのようだ。
「そんな事急に言われても…第一、どっちを選んでも俺死ぬんじゃね?」
「んまぁ、その通りだな」
偉そうに蓄えた髭をわしゃわしゃ撫でる神様。
「…そうだな、どうせ死ぬなら、皆を道連れにしたい」
一人では、死にたくない。
「…どうやらお前は成功作のようじゃな」
相変わらず髭をもしゃもしゃさせながら、神様はほほ笑んだ。
「お前に免じて、どちらもそのままにしておこう。じゃあの」
そう言うと、神様は消えて行った。
「…なんだったんだ」
よく分からないが、どうやら俺は世界を救ったらしい。
編集
△このコラムのTOPへ戻る
▲コミュに民のトップへ
小瓶に手紙を入れて海に流すようなコミュニティ
