投稿日08/18 02:39
「一番信じてる人�A」
琥珀
そんな美紗の心中も知らず、尚人は続ける。
「いつも不安で。俺の事を好きって言ってくれる美紗がいつか俺の前から消えてしまうんじゃないかって」
あぁ、そういえば。ナオ君の親は離婚していて、母の手一つで育ててもらったって聞いた事があったっけ。
胸に手を当て、考えてみる。
「…そうね。私も不安だわ。だけどナオ君とならずっと一緒に居れるって心のどこかで信じてるみたい」
それはとても不確かで、目にも見えないもの。だけどそれはどこか確信めいていて、それこそがきっと『信頼』なのだろう。
この人となら、ずっとやっていけると。心が、私が信じているのだ。
「そっか…美紗は強いんだな」
「だって、ナオ君が私を支えてくれているもの」
私という人間は、一人じゃとても弱くて脆いものだから。ナオ君という松葉杖があって、立派に歩けているのだから。
ううん、松葉杖だなんて失礼だな。きっと向日葵と太陽みたいなものなんだ。
太陽が居るから。迷わず伸びる事が出来る。そして花を咲かす事が出来るんだ。
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