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[1] 食い列車/keeper
By keeper
01-10 19:24

賃金を貰って
喋る葦を喰らう 人食い列車
夜は長いと語るように
鉄の擦れ合う音を聞かせる

「明日を迎え撃つ準備さ 今やるべき事は」
そういって
こいつは俺を背中に乗せた

海を渡り 汽笛をうならせ
ここまで来たんだぞって こいつは鳴いた
静寂を壊して こいつは鳴いた
自分を確かめるみたいに 叫んだ


待ってたんだろう?
こんな日が来ることを
そんな顔されたら
頷くしか出来ない
もしかして裏切るつもり?
怪しい挙動が見え隠れするよ
だけど 何故かこいつを信じたい
こいつが俺を呼ぶ声を


焦げた脚を引きずりながら
終着地点も決められず
走り続ける ボロボロの機体

新しい油も貰えず
どうしてそこまで頑張れるのか
俺には分からなかった

壊れるまでこき使われて
動かなくなれば捨てられる
この世に慈悲なんてないんだぞ

それでもお前は走り続けた


分かってたんだろう?
たやすく捨てられることぐらい
そんな健気さは 切ないだけだ
もしかしてこれは嘘?
怪しい挙動がまだ見え隠れする
騙す為に俺をここまで連れてきたのか


達の悪い詐欺にあったようだ
有り金 全部持ってかれた
あぁ〜、新しい油なんて
買ってやるんじゃなかった


手の平を返したな 人食い列車め
途端に冷たく 放り出された
振り返りもしないで
どんどん後ろ姿は見えなくなって
騙された奴が悪いなんて可笑しいよな…


自らの背中に 夢を持つ若い葦を乗せて
今日も人食い列車は
夜明けがくるまで高笑いを続ける


SH002
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