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[1] 僕達の街へ向かって/変な男
By 変な男
07-18 04:39

 見渡したら僕の街の景色は消えて
後ろを向くと鮮明に蘇る
 精液の段階で、僕の街に僕は行けなくなった
想像している、覚えているだけの家屋を
 足音はフェードアウトして
遠回りだけど少しだけ僕は僕の故郷に帰ってこれた


 聖地として、様々な神話がこの場所を希求し
多くの骸を出した歴史が聖書には記された
 義務として僕の息子には教養を与えられた
その見返りとしていつかはヤハウェが
ブッタが如来が僕らを殺してくれると
 でも神様は居ないの?
と息子は僕に問う


 「神様は僕らを、いつか天国に連れて行って下さる」

 「いつかっていつ?死んだら僕もちゃんと生きられるの?神様は今、何をしているの?」

 「うーん、精々80くらいまでさ。そしたら僕らはきっと正しく生きられるよ(笑)だから神様は今のうちに悪い事しとけって、何もなさらないんだよ」

 「ふーん。死んだらやっと正義のヒーローになれるんだね!じゃあ頑張っていきようっと!」

 「そうだね(笑)生きていなければ、動物かっさばいて食べるなんていう悪い事も出来ないかもしれないし、魚の頭ぶん殴る事もできないかもしれないし、オナニーして数万のお前を殺る事もできないかもしれねぇし、
資本主義で良い思いもできねぇかもしれねぇし、女に中出しもできねぇかもしれねぇし、母ちゃんを家事奴隷にする事もできねぇかもしれねぇし、殺人の自由もなくなるかもしれねぇし、
法律なんて悪もなくなるかもしんねぇし!車もなくなるかもしれねぇし、船も!飛行機も!発電所も!戦争も!核も!建物も!言葉も愛も哀も酔いも楽も、みーんななくなるかもしれないものね。
お前を立派にするなんて悪い事も出来なくなるかもしれない。
だから神様が何もしないで見守って下さる内はその慈悲深きみこころに従って、自由に、元気に生きような。お父さんもお前のために悪い事頑張るから」

 「うーん、長くてよく分からなかったけど、ゆとりのせいではないよね!うん!でもお父さんが頑張るなら僕はもっともっと頑張るよ!やっほー」



 電飾造花はバイオリズムの街並みに群生する。大陽など必要としない、優雅な街で、人々は副交換神経から解き放たれ、経済状況に右往左往し、笑顔で過ごしていた。女性も男性も関係なく、ジェンダーに依存もせず、赤紙が出回る1300万人都市は、世界一美しい街並みとして世界中から称賛されている。その称賛される内の、一つの、立派な、光輝する、二つの目が、順列し、首都高速道路を識別させる。そこを埋め尽くす日本製の車両は二つの目を煌めかせて、各々の天国を目指して帰路を辿っているようだが、渋滞により帰宅困難に陥ったその煌めく美しいライト達は、そこから自分達の天国のために競い、一つの地獄を広げていく。FUKUSHIMAー。GARY MOOREのとある一曲聞こえてきそうな雰囲気ではあるが、それはHIROSHIMAの間違いであった。


 僕の街が見えなくなって21年が経つ
お父さんは相変わらず死ねないでいる
僕はもう、生きられないような気持ちでいるけれど
放射線の影響であらうか?
二年前、母が死んだ。
 その時、僕は母が蘇ったのだと思った
それがたまらず身体は崩れ落ちた
母は神を迎えた
 葬式という儀式を最後の悪として
僕達は母の悪魔を払うために
数百万円をシャーマンと禿に払った
彼は神の近くにいるから神と話せるらしい
 棺桶という悪に入り横たわる母の顔は
とても安らかだった
一方で、喪服を来た幽霊達が
生存権を享受した母をしゃくり、
あげながら、
再び奈落へ戻るよう祈った
 火葬場に運ばれた母は銀色の馬車に乗せられた
ピッツァの釜のような所に入れば
母は精液の前へと帰還し
自分の街へ、聖地へと赴く
 灰は灰に、塵は塵に、帰還するのだ。


 僕は一人裏に回って母が産まれる様子を見に向かう
他の人達は首を横に振って母の誕生を否定する
四角い小さな窓から母の肉体が、
痩せ細った顔が見えた
 僕達の奴隷のように働いた母は
漸く僕と、父という悪魔から解放されて
地獄を出ます。
 さあ、生きて、生きて、幸せになって下さい
長い長いあなたの人生を、、。
 点火!。
ボタンを、誰かも知らない叔父さんが押して
小さな窓越しの世界は赤く染まる。
母の肌は焼けて爛れていく
皮膚が溶融して
黒く焦げて煤と化す
時間の経過さえ分からない程
母の世界が、死んだ母の世界が、
昇華していく
 蘇れ!蘇れ!
母の顔が分からなくなった
 蘇れ!蘇れ!
だから、母の顔が漸くわかった
家事なんて悪い事をしたから
子育てなんて悪い事をしたから
こんなに早く
神様に、生きさせて、もらえたんだろうか。
 僕は母が燃え尽き、灰と化すまでの時間
母の、死の、人生を思い出していた
母は死の国日本から、旅立った
 もう悪い事はしなくていいんだね
 お母さん。
930SC
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