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[1] ひとり/ハルカ
By ハルカ
11-09 21:05
彼は、孤独を飼っている
街の雑踏の中に
テレビの生中継の向こうに
コンビニの肉まんに
白い息を一つ吐き出して
彼はそれに話しかける
“俺は別に、お前が嫌いじゃないよ”
“むしろお前こそが本来の俺なんだ”
“お前がいないと俺は消えてしまう”
彼の淡々とした声に
応える者はなく
彼は、孤独を飼っている
恋人と肌を合わせても
年老いた母に半年ぶりの電話を掛けても
鏡の中の自分に話しかけても
曇った窓ガラスに浮かぶ相合い傘
彼はそれを掌でかき消して思う
“俺はきっと、一人ではないんだ”
“親は健在で、可愛い恋人もいる”
“でも俺はどっかで独りぼっちで”
彼の鬱々とした思いは
ただ彼の腹の中に溜まっていって
彼は、孤独を飼っている
彼は、孤独を飼っている
W62P
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[3]
By ハルカ
02-18 15:29
>>2
いつもコメントありがとうございます。
受験等で忙しく、せっかく頂いたコメントへの返信が遅くなってしまいました。
私は書きたいと思ったときに書き込んで、推敲などはほとんどしていません。
大体の流れとしては適当に題名を決める→題名を少しだけ意識して内容を書く→2、3回読み直して所々修正→内容と題名を比較して題名を変えたり変えなかったり。
こんな適当な感じです。
そのとき浮かんだ言葉を並べているだけと言ってもいいぐらいです。
ひどいときには浮かんだフレーズを使ってみたいという動機だけで詩を書くので、そこ以外の箇所はめちゃくちゃ適当だったりもします。
そうやって私自身の自己満足のために書いているようなものなので、真剣な批評が申し訳ないやら気恥ずかしいやら。
でも私が書いたものを真剣に読んでくれている人がいたのだと初めて実感し、嬉しくなりました。
そして、自分の詩を再発見したりもいたしました。ありがとうございます。
これからはもうちょっと真面目に書いて精進していきたいと思います(笑)
pc
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[2]
By 而
01-02 05:07
>>1
一人ではないからといって、人は孤独じゃないとは限らない。各々が抱えた内面の蟠りは、どのような人間にも様々な形状で存在し、決して消滅する事はなく、破壊、再生を繰り返しているのではないかと思う。例えば知られてはならないと封じ、語られる事のない秘密、例えば過去に何気なく他人に言われた一言、例えば家族さえも知らぬ内に、己の中に出来た家族に対する拒絶感。なによりそれらに対する罪悪感、自己嫌悪。端から見たら充実した人生に見える人々でさえ、誰かに分からないように一生懸命に抱える孤独がある。あなたが詩でこのような事を表現したのは大変有意義だと俺は思います。詩はこうあるべきだとは言わない。然し詩とは、人々が抱え、決して言えないような事を言わなければならないと考えている。だから誰もが簡単にぼやけるような、誰かが言った事をリピートするような詩は、あまり好きじゃない。
この詩は好きだ。様々な工夫があると思う。例えば彼は孤独を〜続くこの連、
街の雑踏の中に
テレビの生中継の向こうに
コンビニの肉まんに
“俺は別に、お前が嫌いじゃないよ”
“むしろお前こそが本来の俺なんだ”
“お前がいないと俺は消えてしまう”
これらは全て繋がり、説明されている。
1 街の雑踏(雑踏の中に居る自分/表側から裏側の自分へのアクセス)
2 生中継(画面越しの自分との対峙/此処で登場人物はもう一つの自分と繋がる/裏側へ)、
3 肉まん(肉まんでいう皮の部分と(表面的な自分)中身の部分(内包され、出てこれない自分)/表側と裏側を説明)
まず雑踏は現実や自分を囲う人々、社会を表す。そして登場人物はその中で生きていく事が困難な、本質的な自分に気が付き、表側から裏側へとアクセスする。生中継はもう一つの自分と繋がった事を意味する。お前が本来の自分と主張する表側の自分が、社会迎合のための役者である事が此処で分かる。そして最後に肉まん、ここでジンテーゼに至る。お前がいないと俺は消えてしまう、というのは二つの自己が、同時に存在していなければならないという、結論なのではないだろうか。一方は、現実を生きるため。一方は、役者(表側)を保つために。
彼の淡々とした声に
応える者はなく
此処も良い。これ程までに苦境な自身の声でさえ、現実へと帰還すれば、誰にも届く事は無い虚しさ。この場面の転換が、読み手に虚無感を与える事に成功している。
このように、確りと練られて作られた構成に関して、非常に関心しました。あなたは詩作がまともに出来る人だと思う。
後半に関しても悪くない。自分自身が主だった前半とは全く違って、此処では実生活で繋がりのある人々が描かれている。彼らとの関わりを描き、それでも尚、孤独を強調する事によって、詩全体の説得力を増幅させるという効果を発揮しているように思います。
ただ、登場人物がなぜ、どのような孤独を抱えているのかが見えない事で、理由なき孤独が独り歩きしている印象もあり、釈然としない気持ちが芽生えた。とはいえ、理由なき孤独が無いわけでもないし、孤独を感じつつも、なぜ自分が孤独なのかが分からない事が確かに俺にもあったので、分からなくはないが。
あと題名はもっと拘った方が良いんじゃないですかね?
930SC
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