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[1] 光一粒/イミ人
By イミ人
08-25 14:32
嫌われ者になりたいと
君は呟いた


朝はまだ起きなくて
影のなかで鳥が鳴く
もしこのまま朝が来ないなら
僕は君に伝えたのだろうか


街の向こうを向く
君の足は裸足


僕は街にペンキを降りかける
君が手を汚す機会を与えないため
僕が街にペンキを降りかける
君の顔が汚れる必要なんてないんだ




嫌われ者になったねと
君は泣いた


朝はようやく昇ってきて
光が僕を照らしはじめた
もうこうして街に居られない
僕は君に背を向けた


街の向こうを向く
僕は靴をはく


僕は僕にペンキを降りかける
君に最後に笑って欲しかったんだ
君は僕になみだを降りかける
君の顔に伝うものは悲しみだった






街の外


街の名も

君の名も

忘れたくて歩きはじめた

光一粒

瞳に宿して
941SH
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[2] By 蛇
09-12 04:07
全体的に暗い雰囲気で、アートな感じが味を出しています。ペンキなどの単語がそのようなイメージに繋がるのだと思いますが、それだけじゃなくて登場人物の哀れさや、夜の街などの魅力的なフィールドがそのイメージを絵の具のように色付けしているような気がします。

まるで動く絵画を見ているような、幻想的で、引き込まれるような構成は正に芸術的と言っても過言ではないと思います。

内容は詩で描く白夜行のようだなと感じました。醜くも純粋で、美しく歪んだ愛。太陽の下を愛する人と歩くために影になって汚れにまみれ、挙げ句明るいだけの夜から抜け出せない主人公と女の悲しい生きざまに深い愛と闇を感じました。

最後に街を去る登場人物と、街を照らす陽のひかりは、救いと絶望の両面を描き出しており、愛の二面性を鮮明に表しているようでもありました。

なかなか面白かったです。
Android(SBM009SHY)
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