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[1] 残滓/変態ピエロ
By 変態ピエロ
03-25 20:39
バス停に横たわる体に突き刺さる雨粒
コンクリートを酸性の水が削る音がする
顔に空いた穴から侵入してくる雨粒は
血液に混り、
誰しもが吐き出した二酸化炭素と
合流していく
僕らは繋がりを得た。
市営バスの到着時刻は
三時間前のようだった
時刻表は市の破綻により守られず
もう五年間も僕は外を知らない
バス停に佇む僕の残像を
君を追って走る
僕の残像が突き抜けて行く
君の場所に向かうあの日の僕が
必要のない僕に壊されてゆく
灰色の雲に覆われた空
食物や排気ガス、人間の体臭の
集積した臭いが漂う街
色々なものを知る可能性がある世界で
なぜ君にしか視線を
向けられないのか
常に僕は周りが見えないほど
自分の視界に囚われている
今もずっと離ればなれが終わる
事がない
雨粒でさえ、地面ではただ流れる
水になって雨粒ではなくなってしまう
君もそのようにして
君ではなくなって
君のままで変質して
僕は未だにそれを認められずにいるよ
そうしてまた、
壊れた街の桟橋から、
バス停に横たわる僕の残像が
過ぎ去る僕の残像に壊されてゆく
いつかはまた、この破綻した
僕の実存を新しい何かが
破壊せしめるのを確信して
君を失う決意に一歩ずつ
近づいていく。
新しくできあがる繋がりが、
希望という言い訳で
円らな僕を満たしていくだろう。
だから最期に少しだけ、
人間に抗いたいと思うよ。
Android(SonySO-02F)
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