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[1] 池/ジョナサン
By ジョナサン
05-03 16:19
しだれ柳が風に揺れている
まるで女の髪の毛のように
まるでもう全てを諦めてしまったかのように
ただ、さらさらと揺れている
見知らぬ街の見知らぬ公園
どこにいたところで面影は淡く水面に映る
池は静かに波を立てて
ゆっくりと広がってゆく ゆっくりと
けれども私達はそれに追いつけない
なぜなら、波は風に乗っているが 私達は乗っていない
歯にヤニのついた若者が池に唾を吐く
吐かれた唾は、いつまでもいつまでもそこを漂っている
いつまでも漂っている
果ての見えないこの大きな池で
方角も
上も下も
今が朝なのか夜なのかさえもわからない
いずれはバラバラに別れ、薄まり消えていく定めだが
それがいつなのかもわからない
本当に消えるのかだってわからない
いつでも目を閉じて耳をふさいでいるから
何も見えないし
何も聞こえない
だから身を寄せ合って温もりを確かめる
そうやって四六時中池の上を漂っている
ゆらゆらとあてもなく
それがあの唾の運命でもあり
それを吐いた私達の運命でもある
G'zOne TYPE-X
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[2]
By 煤
05-13 16:54
>>1
池に吐かれた唾が次第に人そのものに見えてきて成る程と思いました。思えば池そのものがこの世界の例えのようにも見えました。
それでいて表現も分かりやすく、読みやすかったです。
ただ、唾やそれを吐いたものの運命を結論づけてしまっている部分がどうも引っ掛かります。宿命ならすんなり入ってきたと思うんですけど。
でも総合的にはよく工夫された面白い詩だと思います。
失礼しました。
Android(SBM009SHY)
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