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[1] 夜とあなた/ジョナサン
By ジョナサン
06-29 02:17
「夜とあなた」
あなたのその両手から溢れた
青空の数々は
わたしの背中に
暮れてしまった
その眼差しはいつも
透き通る世界のためにあったから
あなたはそんなにも母であれた
夜はかなしい愛に満ちて
地平線が優しく目をつむるから
わたしは空や樹と
交わることができる
こんなにも
こんなにも
ひとりなわたし
虫の声に連れられて
ふらふらと迷子になったわたしを
招き入れた月の扉からは
温かな静寂がこぼれていた
わたしにとって
夜は二つ目の母であったのだ
それは愛の足りないためじゃない
それは憎しみの故じゃない
ただ
植物には空気と水がなくてはならないように
わたしにもあなたと、
夜がなくてはならなかった
あなたの心には
優雅で荘厳な琴の音が
いまだに
行く当てを失くして響き続ける
あなたはそれをしまっているので
その音をわたしは知らない
けれど
拳を握って血が脈打つとき
他人の涙を指で拭き取るとき
草木に宇宙を知るとき
わたしは、その響きが
どこまでも広く、広く、
世界に透き通っていく様を
ただ聞くことが出来るのだろう
なにもできずに
あなたを失いながら
夜にもたれて
ただ、
ただ
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