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[1] Poor Work/変態ピエロ
By 変態ピエロ
08-03 03:30

暑苦しさよりも息苦しい空間に
一晩中魘されてしまうようになってから
なん千日もの歴史を一歩歩いて二歩下がるような
反復を繰り返している
何も映らない映画館でバイトをしているように
フィルムを持たない破産した手を握った
幼い子供たちのような目を
捨てられないと怯えた日から

誰かに今のたち位置を訊かれても
そんなものはなくて それを作るために
虚像で塗り固めた足場を作った後に
落ちる穴はあまりにも深くて
私は痣だらけになる
その痣は時間の代わりに
青臭い言い訳を刻んで
鏡を見るたびにぶち割った
形に滴る血
確かに生きていると
分からせる証さえ
燃えたぎる自己嫌悪に
焼かれ
灰になる あの時の手
もう私は私の期待に
殺されました

いく筋もの正義が
今、ここにある私を断罪していくのを感じる
放射線のように無造作に飛び交う光に追われ続けている
私が腹を痛めた光に追われている
己を最も断罪するのは己でしかないと知っているから
だからあなたの正義にも
きみの正義にも
なんの罪もないよ
あの頃の私を殺し
それを裁き
今の私を壊し
それを裁き
私に死刑を下し続けている
私の手が最も罪深いのだから

なん千日も前のあの日
映画館で夢みたあの頃の私は
もうどこにもいない
だけどそいつに追われ続ける
私だけはまだここに首を締め付けられて
存在していて
存在していていいのだろうか?
存在したくないのだろうか?
存在しているのだろうか?
誰にも見られたこともない
私のフィルムよ
私はあの俳優のようでありたかったし
私はあの飲んだくれのマスターのようでありたかったし
私はあの魔王のようでありたかった
だけれど、私は私になる事が一番恐ろしかったのだ
だからこそ
私は私にすらなれなかったんだね

さようなら映画館

Android(SonySO-02F)
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