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[1] Balloning/PIERROT
By PIERROT
12-01 16:44
タスポに軟禁された少年院が、
ニコチン中毒のカルカロクレスの
天狗の爪を
ヤニで重層的に染め上げるような
百にも収まらず、
一にも満たない
優しい指導者たちに
しゃぶりつくされた社会に
いくつもの空間と空間が縫合され、
だから顔になれないと溢れる顔
灰色の街には
バルーニングした
ウルフスパイダー
それをつまみ上げて喰らう
ショタコンの、
無垢な喉を
経費で流して
散らばる転調の雨が
男達の頭を
旋毛から破裂させていった
喫茶店は規則的に並べられた
ノスタルジックなテーブルに
雨を降らせて
客は焼け爛れた椅子で
削げ落ちる第三指を
USENのラップに合わせて
叩きつける
母の日に父の日は死んで
父の日に子供の日は寝付けない
ピンクのカーテンはサンタに化けた
露店商のプレゼント
磔にされた十字架に
縫い付けられた鮪の皮膚、
カーテンを剥がす手が、
血栓を送り出して
巡る 春の
血を抜いて、頭を殴って殺す季節
落ち葉が紅葉に戻れないのか
戻らないのかも分からずに
畦道を舞うがま蛙の群れ
骨を裂いて
子宮に戻す産婦人の沈黙を、
鋸(のこぎり)で断絶する
神経痛の音が
大脳新皮質を通って
膣の襞を畦道へ
焼き直す
母の日は終わらない
少年は白い舌に滴る、
少女は黒い膿に汁を垂らして
帰れない
地球儀は回転数を増している
そして喫茶店の
カプチーノに描かれた
太平洋と黒海と大西洋に
溺れた下唇に
刺さるカップに
沈む葉巻の、
音を知らない
知る事で
知らないための条件を作って
それを
だぼだぼのメイド服の警官が
撃ち抜いた
ニコチン
それがきっかけにすぎないのなら
母の日に少年は
注射器に経血をぶちこんで
父の日に少年は
コーランと新訳聖書の現代語訳を暗唱する
子供の日に死んだ
繊細な引き鉄にくるまれながら、
少年は、
少女にはなれない
政治家が
いつしか政治家に帰れなくなるように
喫茶店のドアを開いても
外は平面をちんぽこで造形しただけの
無機質な箱庭か、
或いは中東に咲く
人の、肉の、花の、
滴る、無言か
少女の断面図には、
きっと今も
中出しに近い
少年のニオイが
漂っている だろうか
Android(SonySO-02F)
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