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[1] ヘブンズ・ガーデン/PIERROT
By PIERROT
02-08 16:21
天国と呼ばれた地で
彩度を 失ったように
くすんだ観覧車から
国民服を着た 少女が
ノイズ越しに 見下ろして
いる
錆び付いた 腕だから
骨は 離れ 唇が
だれもいない都市の
頭の上で 口づけをして
わたしは あなたは
血の通わない 制御盤を 漁る
天国に いらない神が舞い降りて
僕たちの庭先に 動かない
或いは 動けない翼が溜まって
うちからそとへと 明け放たれなかった 光が
その 過密な翼を 反転させて おちてゆく
唄われなかった 歌唱は 焼けて
叫ぶ ひかりたちの
メロディアスなデスボイスは
束になる斜光を い抜いて
雨に変えてしまったように
エデンとか 楽園とかは
簡単に崩壊してしまう
ファイリングされ
閉じられ 積み上がる 羊皮紙の
手稿にすぎない
革命や 自由のために 赤い旗が揚がる時
それは決して革新的ではなく 優しくもないと
ぼくらは あたらしさの冷淡さを
守るための いじらしさを 知らない
自由のために 自由は奪われてきた
天国をつくるために 手離した幾重にも広がる庭が
私の セフィロトの房の中で熟成しているよ
コレクションされた 音楽たち
言葉たち 芸術たち 異性たち そして空間たち
あらゆるものは 保ったまま壊す事はできない
だから なにも守れない
あらゆるもの
だから
言葉たち
コレクションされた
私の 斜光で
焼かれた ダアトの 庭
右腕を伸ばす
大空と 太陽の隙間で
スーツがじりじりと
焦げ いたい
白昼と宇宙は
いつも 夜だった
どうか どうか
私たちの 理想郷のために
死に絶えますように
私たちは ヘミングウェイや太宰の
文体と 話す事はできない
それと同じくして
私たちは 言葉を持たない
持たないから
ハードディスクに 取りためた
心地よい世界たちと
掃き捨ててきた 世界たちの
分類に勤しみ 人間や国々をも
私たちの
死に絶えた
分類に コレクトして
自由の 天国を 焼かれた庭で強化していく
知っているだろうか あしたはなにも もてないことを
知っているだろうか
ユートピアはディストピア かもしれないことを
古代の骨たちの 硝子ケースの前で
竜たちは 呼吸をしている
床に散らばる チケットの
卵をあたためる 時の雨
さいぎる 指を伝う
フレアを含有した まなこ
夢 死 宇宙 男 女
限りなく広がる 性器の咲き乱れ
景色 色彩 透明
あらゆる情報が 地球を流されて
あなたの国民服に 裸体を着せる
あなたは 微笑しながら
掌の上にある セラフィムを
息吹き 天からは
歌が
ノイズが
唄われなかった 制御盤と共に
落日する
あなたは 知っていただろうか 私の知らないであろう庭を
あなたを知らない 庭で 私はひとり 天国を
ひとり ひとり ひとり
ひとは ピースじゃないのにね
帳は 上がり 落ちて
メリーゴーランドには首のない白馬
エントランスからの 人骨のにおい
果てた 神々の 夢だけが いま
掌から 離れて
浮沈している
いま 赤錆びた観覧車が ワタシを乗せたまま 動きだす
制御盤は 落とされたまま 視界から 離れていきました
そして それは けっして だれも知らない
Android(SonySO-02F)
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