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[1] 人間図六の断章/PIERROT
By PIERROT

05-30 15:21

Ⅰ

蓮華座には神経の環状線があり、
枝分かれしながら
いくべき海といきたくない海を目指して、

流動する血液は、
ウォータースライダーを繰返している

その過程において微細に分割された感覚には
麻痺した機関がばらばらに撒き散らされていて
私にはそれがなんの記憶から或いは体験から
生じたものなのかも
もう分からなかった

Ⅱ

よくある事とと言えばよくある事だ
晴天が必ずしも青くはないように
不規則な感性の人間には
通りすがる感覚が肉体だけを削り去る
伴わない痛みだけが、
不意に湧いてくる
もしかしたら思っている以上に
汚れているのかもしれないし
人造の皮を剥ぐために
私は生きているのかもしれない

Ⅲ

毒蛾の触覚には毒を、
繋いだ誰かの手には無を、
因果には因果を、
応報には応報を、と
手渡せない指切り
眼孔を抉る優しい契りだけが
雅に照りつける海辺に打ち上げられてほら、
みすぼらしく漂っているよ
そんな事あたりまえになりすぎて
まぶしい、
こんな人生

Ⅳ

光らない森がやはりとても美しく
人を殺せるから
私たちはやすらかに異形に集えるだろう
闇さえない杉の木の合間を眸で追えばやがて
町にはなれなかった町がすり抜ける
そこに私たちはいつも住まい
紅い蝶が舞う花壇にはデモンたちの指先を植え、
水路にはステンドグラスが貼られ、
教会には今も窓がない
そう、
人を殺せるから
やがて人にも殺されるのだろう
大した意味もないそして大した意味がある
それがいつか、
どこかで芽吹けばいいのにな

Ⅴ

痛覚には、
いつも誰かに居てほしい
願いがある、
悪意や善意が
濁流のようにあらゆる穴から入り込み
災厄となる普遍的な痛みを
人は求めている、
だから人にならない人より
人になれない人になろうよ
庭先には無数の白い人形と鴉の群生
これが人間の性(さが)だろう？

Ⅵ

人たらんとするとき、
人は人ではなくなり、
海は鋭く賢明に、
地母神を描く
人になれなかった麻痺した神経は、
その日にこそ、
痛覚を呼び起こすのだろう
人間はそれまでに、
無数に打ち上げられ、
浜辺はサーモンピンクに
染め上げられている

Android(SonySO-02F)
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[3] By PIERROT

06-01 16:02
>>2

詳細な感想ありがとうございます。

－台座の上に剥き出しの脳みそ

なるほど、それはそれで面白いかもしれませんね。エグい感じも題名通り人間の生々しさが浮き立つようで良いですね。

人間として生きていこうとすればするほど、様々な選択や理不尽さや残酷さを経験しつつも、どこかでそれを誤魔化しながら丸め込んだり、正当化して、言ってみれば麻痺した神経のように感覚を押し殺していかなくてはならない生存競争社会においては、人間にならない人間か、人間になれない人間かが重要で、それは意図的かそうでないかという決定的な違いに分類される気がします。資本や欲望だけを追求し、意図的に他者をそれを満たすための道具にする、人を捨てた魔物と、迷いや煩悶の中で、右往左往している、人間としての内面を割りきれず自由経済主義に染まりきれない人達でいうなら、それはやはり後者が本来の原始的な生物、人間であって、前者は近年量産された新人類にカテゴライズされる者たちだと思っています。そうとはいえ、そこから外れる時期は遅かれ早かれやってくるわけなので、例えば労働という社会システムから外れたり、病気になったりと、いずれは人間という生物に立ち返り、他者を求めたり、割りきれない死への恐怖などがやってくる。そうなった時、知らず知らずに剥き出しになった今まで麻痺しているように感じていた神経が活発化し、一気に現実の痛みとして人生を追及されるのだろうと感じます。浜辺に打ち上げられた死体は、人生過程の中で殺してしてきた人間たらんとした自分だったり、自分に心で相対してくれた人達だったりするんですけど、要はそんな痛みを後から味わうくらいなら、社会に迎合し、機械化するより、今をもがき苦しみぬきながらも、人間を目指したい。そういう自分自身の願いや意志というのもありました。

なので、

―その無意識の中の制御不能なソレ等に私達は操られている

こういった解釈をしていただけた事がとても良かったなあと思いました。また、読み手の解釈によって毎回新たな発見があるので自由に誰かが自分の作品を解釈したりしてもらえる事は本当にありがたいなと改めて思いました。

長くなりましてすいません。詳細かつ貴重な感想ありがとうございました。

Android(SonySO-02F)
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[2] By 紅園あげは

06-01 11:19
こんにちは(´ｰ｀)

台座の上に剥き出しの脳みそがあるのを想像しました。そこから神経のように枝分かれしたウォータースライダーがあちらこちらへと繋がっていて。。。

そこを溶けだした脳が少しづつ少しづつ流れ出すような、その液体はきっと単調な感情のカケラのような物で、興味だったり、好意だったり、欲求だったりして、それらは脳の持ち主さえ気が付かない程の小さな小さな雫なのかなと思ったり。

しかしながら、その無意識の中の制御不能なソレ等に私達は操られているのかも知れませんねーヽ(´Д｀；≡；´Д｀)丿

はい。意味不明文失礼しました！

ごちそうさまでした(´ｰ｀)ﾉ

Android(KYY21)
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