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[1] 焚き火
By ちよこ


どなたもつつがなく


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[2] By ちよこ
真白くって、何処までだって揺りのぼってくんだ。折れるほど首もたげて仰いでるみんなそれはそれは、たくさんのひとりです。足許からしとしと、想うんだ。

人差し指はそっと
なつかしいね
くちびるをかぶって

淡く虹にそよぐ水面が一層に、静かな眩しさその内に、込めたんだ。瑪瑙のこ。虹彩のふくらんだ枠のなかそおっと、抱き締めながらきっとそれは自分自身だったんだ。

忘れられないよ
知らない人の
優しかった匂い

立ち上がるひかりの縞のハイドロゲン、雲状の肺胞に傾けて、みんな溺れるように、生きてるんだ。
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[3] By ちよこ
あまりにも立ち昇る夜、私たちは私たちを忘れて、ほんとうにたくさんあると思っていたこころごとあの影を燃やした。私たち、たったひとつの声だけを持ち、せめて枯れるまで鳴いていたいと思っていて、ほら、そこらじゅうの木の葉があちこちじゅ、と音をつくればひとつ、最後と身体中軋ませたこと。ただあなたの影だけは丁寧に、足先から淡い灰白をなぞっていて、あくる日もあくる日も燃えていた。乗り出すように世界をみた。あなた、あの耳ばかりをつんざくような色を覚えていて、あなた、ただ知っていた証し。わたし、苦しいくらい押し殺した匂いを覚えていて、それさえ確かな、知っていた証し。いつか、大切なものにであったりして、でもわたし、きっと分からなくて、重さをなくし、触れられる形だけを遺すそのころなら抱き締める、右手から恐る恐る。あの、いたる木々が火花のからからと昇るを映した夜、ひとびとは焦げた匂いを帯び、額に手を添え足を折って、ふたたび土の中で誰かをまちつづける。少しだけ、目の前にちかちかと降り積もる私達をみる。
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