12/08 23:04

「仮想葬儀」
みはる



例えば私っていうのは
自分が気付いてないだけで、
本当はすごい人間だったとする。


もし今、私の命が途絶えたら
全世界が泣き叫んで、
後追い自殺だって何十人もいて、
ニュースで大々的に報じられて、
葬儀には何千人もの人が押しかける。
著名人が涙をながす。

空虚に笑ういつかの私の遺影を
みんなが見つめるだろう。


そんなもしもの話は存在しない。

ただ、もし普通の私の命が途絶えたら、
私をとりまく人々は涙を流すだろう
後追い自殺まではいかないだろうが、
親なんかは相当凹むだろう。
口コミで学校に広がって、
黙祷を捧げられるんだろうか。
葬儀には私を知ってる人が席を連ね、
涙を流してくれるはずだ。

そしてやはり、
空虚に笑ういつかの私の遺影を
みんなが見つめるだろう。


私は私を取り巻く社会の中心なのだ。
それはきっと誰でも当てはまること。

仮の世界で私の机に置かれた菊の花を見て、みんなが何を思うかは、
それこそ、死んでみなければわかりえない。




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