01/17 23:03

「人格」
みはる



彼を仮にAとおこう。
私は彼に似ている。

彼は私を知らない。
私も彼を知らない。
でも、少なくとも彼が私に対する知っている事よりは、知っているつもりだ。


本当ならば、これはあまりにも失礼な事だ。
才能を認められ、ある程度名前も知られている彼と、一介の女子高生である私が似ていると錯覚するのは。
妄想の域を超えない、勘違いだと断言できる。


しかし、似ているのだ。
性別や血液型、出身地、年齢。
そういうことじゃない。

メディアの映す虚像の向こう側。
私と同じ色をしている。

勘違いだと思われてもいい。
私だって思いたいぐらいだ。
私は彼とは違う。

なら、何でこの道を選ぼうとしてる。
動機まで同じじゃないか。

私が嫌おうとしている友達は、
彼の相方とそっくりだった。
私達は似ているのだ。
この溢れる人塊の中で、彼だけなのだ。
馬鹿なふりをしている、本当の馬鹿は。
その事を私が見破れるのは。


私は彼が好きだ。
私は私が好きだから。

けど、彼の顔を見る度に嫌悪感が押し寄せる。

何故か。
私は彼が嫌いだからだ。
あの、脳に焼き付けようとしていた黒い瞳が怖かったからだ。
そして、それと同等にまた、
私も私が嫌いなのだ。

私から私を遠ざけようと、
彼の真似ばかりする。
否、違うな。
彼を嫌いたくて、か。

何か決定的なことを見つければ
こんな妄想も抱かなくなるだろう。
若さ故の恥だと、笑い話にできるだろう。

誰かに、見つけてほしい。

しかし、見つけないでとも思う。
矛盾は弱さ故。
私と彼との一番の違いは、この弱さだろう。
強くなりたいと願うのは、何故だろう。

自己愛を膨らますためか、
彼に近付くためか。

自分の傾倒した主張に反吐がでそうだ。
誰か、誰でもいい。
笑ってくれ。





編集
このコラムのTOPへ戻る
▲コミュに民のトップへ


小瓶に手紙を入れて海に流すようなコミュニティ



[掲示板ナビ]
☆無料で作成☆
[HP|ブログ|掲示板]
[簡単着せ替えHP]