投稿日02/19 23:47
「喪失」
りんご
生まれてきたことが事故だから
その言葉に、苛立ちと悲しみを感じた。
何も出来ずに立ちすくむ私をみて、その人は笑った。
その痛みも、悲しみも、諦めも、理解はできないのだろう。
冷たい夜の空気の中で、いつもは強いその人が、消えてしまいそうに弱く見えた。
何も言えず、何も出来ず、でも逃げることさえできなくて、
私はただそこに居た。
その人の心に空いた、埋めようのない穴を見つめながら。
その人の望むものを与えられない私は、ただ、祈っている。
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