投稿日10/27 23:51
「蜘蛛の糸」
ぴぁ子
芥川龍之助の『蜘蛛の糸』の話はご存知だろうか。
極楽浄土の蓮池からお釈迦様が蜘蛛の糸を垂らし、罪人のカンダタを助けようとする話である。
もう少しで極楽浄土に届くというところでカンダタは下に続く他の罪人達に野次を飛ばし、糸はぷつりと切れ、カンダタはまた地獄へと落ちたのだ。
お釈迦様は悲しそうな顔をし、蓮池から立ち去った。
果たして、お釈迦様は本当にカンダタを助ける気で蜘蛛の糸を垂らしたのだろうか。
これは批判ではなく、私は立派なお釈迦様がまさかと思ってしまう行動だと思ったからである。
なぜなら、人の心まで見透かしてしまうお方なのに、あの時のカンダタの心など初めから見抜いていただろうに。
こうなると知っていて蜘蛛の糸を垂らしたのか。そうだとしたらこれは酷い。只の気まぐれだったのか。
そう考えると怖くて仕方ないのだ。
世の中、知っていて知らないふりをしてしまうときがある。又は自分だけ知らなかったというときがある。それを知ったとき、ただならぬ疎外感が起き、又は前者の場合は劣等感が起きる。
そんな人間の内にある愚かさを伝えたかったのだろうか。
考えれば考えるほど分からなくなってくるのだ。
龍之助さんはどう考えて書いていたのでしょうね。
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