投稿日06/04 21:53
「空がまた暗くなる(後)」
宮沢スイ
この間ふと、お風呂の中でRCのある曲を口ずさんでいた。
その時私は、長い間の自分の癖をひとつ、初めて自覚した。
その日、私は落ち込んでいた。
気分転換にと、お気に入りの入浴剤をタップリ入れたお風呂の中でも、やっぱり私は落ち込んでいた。
重なる良くない出来事や、見えてしまった何かを企んだ顔や態度。
それに立ち向かう勇気が折れそうで、私はその日湯船の中で、ちょっとへコたれていた。
そうしてふと気付けば、
歌を歌ってた。
【空がまた暗くなる】
おとなだろ 勇気をだせよ
おとなだろ 笑っていても
暗く曇った この空を
かくすことなどできない
ああ 子供の頃のように
さあ 勇気を出すのさ
きっと 道に迷わずに
君の家にたどりつけるさ
(RCサクセション・忌野清志郎作詞)
何気なく浮かんで来たRCのこの曲を、
私は歌ってた。
【おとなだろ 勇気をだせよ】
特にこのフレーズを繰り返し。
本当に無意識に、歌ってた。
正直言えば、もうこの世界に清志郎が居ないことすら忘れて歌ってた。
1人きり、誰にも言えない時。
立ち向かう勇気がなかなか出なくて、へコたれそうになっている時。
何かが怖くて、言いたいことを言えなかった時。したいことが出来なかった時。
そんな時にこの歌は、私の頭の中にひょっこりと現れては、流れ出す。
そうだ、私は。
そんな気分の時にいつも、
この歌を歌ってた。
心の中で、聞こえないくらいの小さな声で、時には大声で。
職場の中で、お風呂の中で、電車の中で、街の中で、たまにはトイレの中でも歌ってた。
それは私の癖のひとつらしい。
ずっとずっと前からの。
今も変わってないみたいだ。
清志郎が居なくなった今でも、
それはやっぱり私の癖だ。
そう気付いたら、ちょっと笑えて、泣きそうになった。
嬉しくて、寂しくて、泣きそうになった。
私はずっと、忌野清志郎の底の浅いファンだった。
だからこんなにファンでしたと自慢出来る出来事は、特にない。
私はずっとずっと、
忌野清志郎の底の浅いファンだ。
ただひたすら、
一方的に、
清志郎が大好きだっただけ。
多分、これからもそう。
この先もずっとそう。
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