11/13 11:39

「118 幻想のおわりと」
なずな

腑に落ちた。

ずっと幻想を見ていたらしい。
私は彼の本性と思って、尊敬すらしていたのだった。
こつこつと時間をかけ、いろんなことを曲解して、幻想を形作っていたらしい。
もう3年以上。

それが、近頃は何か違う気がしていた。
私が変わってゆくから、違う気がするのかと思っていたけれど、それが誤認。
1年以上ぶりの電話で悟った。

舗装のはげかけた足元が、一晩で新しいアスファルトに変わった。


彼は、とても、とても普通だった。
甘えたさんで、子供だった。

そして、だめな人だった。


数年前の私と今の彼がイーブンで。
新鮮さを大人っぽさと勘違いしていたのだろうな、当時の私は。
ということは、他の人への認識も、かなり勘違いを含んでいたのだろう。
今からすべて修正すべきか、それぞれ名前を付けて保存すべきか。


だめな人だって気づくことが出来て、
その昔うっかり付き合ったりしないで、
距離感のあるまま友達でいられて、
変な相談ごとをぶつけて、
変な相談ごとをぶつけられて、
お互いの避難場所になれて、

よかった。


かつて私の中に住処のあった人が、ようやく他人になった。
他人なら、話すのも心が軽い。
他人なら、余所から心配できる。

だからこれからも、甘えたさんな彼に呆れながら、友達付き合いをしよう。



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