03/18 22:34
「143 いのち救われ」
なずな
いのち救われ、私は生きてる。
はじまりは7日の夜だった。
原因不明の腹痛とほてり。
体温はすでに37℃後半。
それでも冗談を言う元気はあったから、ほかの体調不良を疑って早めに就寝した。
深夜ふと目覚めて、からだが震えていることに気がついた。
布団を幾重にも掛け丸まって耐えるのだが、恐ろしく寒く、震えがいっこうに止まらない。
また、うわごとのような「いや、いやだ」「あー、あー」という声、激しい呼吸も止められない。
おでこや首筋は完全に熱くなっており、眼のあたりが“煮えている”ようなジリジリした痛みに襲われた。
一時は救急を呼ぼうと携帯に手を伸ばしたこともあったが、あろうことか熱のせいで番号を思い出せず、朝までひたすら耐えた。
病院の診断は風邪だった。
あの痛い検査でも菌は出なかった。
当日は出かける予定もあったがそれどころではない。
ぐったり、疲れ切り、なにも考えることなく待つ間に、待合室のデジタル時計が 11時11分 11秒 を指した瞬間だけが、残像のように残った。
症状は長引き、中でも眼の奥から広がる頭痛がひどくて、数日はベッドから離れられなかった。
しかし12日には絶対に行かなければならない用事があった。
前日の午後、やっとましになったからだを起こして、自分で淹れた紅茶を片手にインターネットで電車の時刻を調べていた。
そのとき。
即時にシャットダウンしてプラグを抜き、マグカップと傍らの携帯電話とを持ってテーブルの下に潜っていたころ、私のベッドには重いおもい段ボール箱が直撃していたのだった。
うそみたい。
でも、違う。
全部私の体験。
そして、誰にでも起こりえた、偶然の重なり。
生きてるってすごいことだ。
どんな形であれ、いのちを奪われるのは悲しくつらいことだ。
すべてのひとに、幸いがありますよう。
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