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「165 見つけた」
なずな
或る敬愛し思慕する人に少し前に言われたことの意味が、わかった気がする。
勉強だけできる女の子にはなるんでない。
勉強も遊びもなさい。
と言われた。
そのときの私は、生真面目のどこが悪いのかわからなかったが、今となっては論点がずれていたなと思う。
もっともっと視野を広くなさいと、伝えたかったんだろう。
視野・生活の狭さが当時の私の“堅さ”をつくっていた。
皆は真面目と評すけど自分は適当な性格なのにと、首をひねっていた。
それは、狭い世界しか、そこでの振る舞い方しか、身につけてこなかったから、
知らなかったから、
真面目の基準が違っていたのだ。
年齢に達し、お酒の席に出ることができるようになった。
そういう仕事ではないから、月に一度くらいしか行かないけれど、それでも仲間内のただのコンパだって、充分社会の縮図だと思う。
飲める限り飲むとか。
空いたグラスにすかさず注ぐとか。
狭い座敷で腿や腰が触れあってしまうとか。
それをコミュニケーションとして受容できた日から、心の扉が一枚撤去されて、一部屋ぶん広がった。
ほろ酔いを越えたあたりの男の人は、正直だ。
目からの言葉を隠せてない。
たとえば、男性だけでなんとなくどんよりした席があったとする。
やっぱり華は必要で、それは笑顔を振りまける存在でなくては。
となると、かわいい子供も犬猫も連れてこられない、お酒の席では、女の子が華になるしかないじゃない。
男性優位な古い考えだと、かつては思っていたけど、今は思わない。
せっかく女の子として生まれ育った身。
私はさほど恵まれた容姿ではないけど、心からの笑顔と軽いツンデレ精神くらいは持ち合わせている。
だったら、減るものでも、傷が付くものでもないのだから、どんどん提供したらいいのだ。
その気前のよさと華の価値を買って、男の人も楽しさをつくろうとしてくれるようになる。
協力が、大事。
もちろんこれは、お酒の席に留まらない。
ご飯の席にも、日常の会話にも、敷衍していくべきだ。
女の子同士でも、どんよりしたら自分から明るさを取り戻そう。
出来るなら、男の人でも席を和ませる工夫をしたらいい。
こう、次第に思えてきたのだ。
ホスピタリティ
サービス精神
以前の私の視野にはなかった言葉。
この大切さがやっとわかってきた。
勉強以外もわかるようになったこと、いつか天国の彼方へ報告できたらいいのに。
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