04/02 06:35
「168 精神的交わり」
なずな
あえて賭けに出たのだ。
ずっとずっと友人程度の距離を保ってきた相手に、ごく僅かに許しの空気を感じた。
変わるなら今だと、瞬間に判断を下した。
話す間に知らず詰まった距離。
そこに、さっと置かれた、目には見えないついたて。
やはりこの人と肉体的に接近するのは、誤りだ。と悟った。
とはいえ。
会話のなかに無言の時があろうとも、話の齟齬があろうとも、オチがなかろうとも、ゆるやかに場をつなげていられる間柄であることは、特異なことだ。
精神的には、極めて接近している。
むしろ交わっている。
精神的な快楽行為。
限りなく潔白な交わり。
この人を超える逸材でなければわたしは満足できないだろうと、何度目かの自覚をした。
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