05/04 10:39

「169 品定め」
なずな

他人に品定めされてるような感覚というのは気分が悪いものだ。

先日部室の近くで発声練習をしていたら、通りすがりのグループにしげしげと見られた。

のみならず、そのうちの一人が発声練習の思い出を語り出した。

さも書き割りの風景かのように、「私」の存在は消されて、観察対象となった。

嫌だ。と直感的に感じて、離れた所へ移動する。

それでも遠くから、「あぁ」とか「かわいそうに」とか、笑いを含んだ声が届き、げっそりとしてしまった。


赤の他人、面識もない相手に、興味を向けられると、なぜこれほど気味が悪いのか。

私だけだろうか。

いやきっと違うと信じたい。


また、
しばらく付き合いのある仲間内でも、異性としての観察対象であることがわかると、途端に嫌悪感がわく。

性を超えた関係を、まだ築けていなかったのかとさびしくなる。

その中に、気になっている相手が含まれればなおさらだ。
他人と話題を共有できる程度の相手という認識なのかと、へこむ。


たしかに私は潔癖なきらいはあるけれど、
対面でなく自分に言及されているのは、誰だって嫌だろうに。


おぉ、嫌だ。
わすれよう。
わすれて餡ドーナツを食べよう。


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