07/18 11:46

「2 かふぃ」
なずな

 エスプレッソ、カプチーノ
 キャラメルマキアート ……

珈琲って好みが分かれるものだけれど、わたしは好きです。
大人っぽくて、どこか秘密めいていて、ちょっと酔いそうな香りが心地良い。

そのルーツは、小学校の通学路にさかのぼります。
当時一年生だったわたしと友達は、2人ではしゃぎながら登下校していました。
途中にはマンションや郵便局、そして一軒の喫茶店がありました。
店先に珈琲豆を盛った真っ白いコーヒーカップが飾られていて、2人でその前を通りがかるたびに、カップに顔を寄せて珈琲の香りに魅せられていたのです。

後から思えば、早熟。随分とませた小学生です。
そのことは幼心にうっすらと感じていたようで、打ち合わせたわけではないのにわたしも彼女も母親にしゃべらなかった、秘密の寄り道でした。

その小学校に通ったのはたった一年間で、コーヒーカップの喫茶店のその後は知りません。
現在は海外に住んでいる彼女が、その寄り道を覚えているのかもわかりません。
全てが、珈琲の危うげな香りに包まれ、ぼやけてしまいました。

喫茶店に立ち寄る年齢になった今も、珈琲の香りを特別なものに感じるのは、その記憶のせいかもしれませんね。

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