投稿日08/14 22:16
｢白い世界と黒い世界と｣
nico
私は今の生活に満足している。
友達がいて、仕事があって、自由な時間があって、好きなことがあって、美味しいご飯が食べられて、好きな音楽がきけて、きれいなものを見れて、心地よい風を感じられて、落ち着く匂いをかげて、元気に体を動かせて。
このままの生活をつづけていくことに反発はない。
と、周りには言うけれど、否、本当に思っているのだけど、心のどこかで今日通勤の途中で事故にあって、入院するようなことにならないかな、なんてことを考えたりする。
仕事にはいけず、あの家にも帰れない、病院という縛られた空間の中でただただ何もなく過ごす時間は訪れないかな、と望む自分がいる。
仕事がいやなわけではない。むしろずっと続けていきたいと思うくらい好きだ。
なにもしたくないのかというわけでもない。むしろもっと休みをとって遊びに出かけたいくらいだ。
友達と離れたいわけでもない。むしろ時間が合わずあまり会えないことにまどろっこしさも感じるくらいだ。
でもたまに、この今の私の住む世界から逃げ出したいと思ってしまうことがあるんだ。
私は悲劇のヒロインにでもなりたいのか？
そうじゃないだろう。
やりたいことをやって、楽しい仕事について、友達に恵まれているというのになにが不満だ。
なにが嫌なのだ。
目を覚ませ。どんなに夢を見たって、目が覚めればどんな状況でも私の世界は私の世界でしかない。
もやもやしたどす黒い雲は真っ暗にする雨を降らそうとこちらへ向かってきているけれど、私はいつも逃げて逃げて逃げ回っている。
逃げ回るのも疲れたけれど、走り続けなければいけないんだよね。
にこ
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