投稿日06/11 10:14
「告白」
Nico
彼との出会いはそもそもは出会い系だった。
出会いを求めていたわけでも、セックスする相手を探していたわけでもなく、ただの暇つぶしにすぎず、大人の男性はこうも性に貪欲なのか、とあざ笑うかのごとくたくさんの人とサイト上でお話をしていた。
もちろん、そこであって一夜を過ごすなんてこと一度もなく、ただ幻想の相手役に徹していたんだ。
まわりは皆性の欲求や、その場の興奮のための会話を要求する人ばかりだったのだけど、彼はいたって普通で、趣味が合うこともあり、色気抜きで話しを楽しめた。
ひと月かふた月そんな他愛もない話しを楽しんでいたころ、みたい映画が重なり、一緒にみることとなった。
ご飯をして、映画をみて、お茶をして、彼の家で彼のオススメの映画をみて。
ただ手を出されることがなかったことに少し安心を覚えた。
その日の別れ際に、彼から付き合おうか、と軽く言われまだ若かった私はなんとなく、興味本位で了承したんだ。
友達に彼との出会いの真実を伝えるのは抵抗があり、職場での紹介、なんて嘘をついていた。
好きになるのに時間はかからなかった。
暇ができれば彼に会いにいき、離れている時はメールをたくさんした。
はじめてセックスが楽しいものだと知り、心のそこから彼に溺れていたような気がする。
そんな彼と別れたのは最近だ。
切り出したのは私。
出会い系で知り合った彼は、私との関係があれど、ずっと出会い系を辞めれずにいたんだ。
もう癖になっていたんだと思う。私と長いこと会えず、仕事でメールが返せないとその空いた時間に覗いてしまっていたんだ。
何度もそれを見つけては退会させ、何度ももめた。
それでも気がつくとまたやっている、その繰り返し。
一度目の発見は浮気の心配ではなく、私の知らない彼の生活を少し覗き見したかったから。
どんなものを見て、友達とどんなメールをしているんだろう、と。
だから彼に隠れてみることはせず、彼と一緒にいじったりしていたんだ。
そこに偶然ウェブの履歴にとんだらサイトにとんだ。
そのときもかなりの衝撃で、もう終わりなのかと思ったけれど、彼のまだ好きだ、実際会うことはしてない、という言葉を純粋に信じた。
でも一度そういうことがあると、またするのかもしれない、という不安は積乱雲のようにモクモク膨らんで、いつしか彼のお風呂の時や、寝てしまった時に盗み見ていた。
結局、そんな関係がいいとは思えなくて別れを切り出した。
ひと月は彼から復縁の連絡が入ったのだけど、今はもう一切がなくなり、二年続いた関係は終わった。
友達にはもう吹っ切れた、なんて話しをするのだけど、実際はそんなことない、まだ好きだ。
ふと彼の温もりが懐かしく思う、またあの腕に抱かれたい。
新しい恋人がそうできるわけもなく、ただ彼の代わりを探しているにすぎない。
もはやこれは恋愛ではなく依存だった気がする。
そしてまた、私は依存しようとしている。
依存が悪いとは思わない。思わないけれど、ひとりで生きていける強さがほしい。
にこ
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