投稿日02/12 21:52
「生命は」
nico
生命は
自分自身で完結できないように
つくられているらしい
花も
めしべとおしべが揃っているだけでは
不充分で
虫や風が訪れて
めしべとおしべを仲立ちする
生命はすべて
そのなかに欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ
世界は多分
他者の総和
しかし
互いに
欠如を満たすなどとは
知りもせず
知らされもせず
ばらまかれている者同士
無関心でいられる間柄
ときに
うとましく思えることさも許されている間柄
そのように
世界がゆるやかに構成されているのは
なぜ?
花が咲いている
すぐ近くまで
虻の姿をした他者が
光りをまとって飛んできている
私も あるとき
誰かのための虻だったろう
あなたも あるとき
私のための風だったかもしれない
吉野 弘
最近とてつもなく感動した詩です。
私は誰かのための風になっているのだろうか。
誰かのための虻になっているのだろうか。
空虚な心にわずかでも風が吹いてくれたなら、私はその風によって目を覚ますことができるかもしれない。
私にそよぐ風はあるのだろうか。
あなたがもし、その風であってくれるのなら、私は虻になるよ。
私という花のための風になってくれるなら、私はどこかの花のための風になりたい。
あなたのための虻になりたい。
にこ
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