山里紅包粽子/島野律子



猫編4

*同人誌「プラスマイナス」105号掲載
そしてチチは「この猫は、街猫だなー。変わった体つきだ」しきりに感心しております。なんですか、その「街猫」って。
確かにみねこは、ちょっと一般的な猫のイメージを微妙にはずしているというか、どこがどうと上手く指摘できないものの、見れば見るほど変わった猫だという強い印象があるのです。
でも、あるときネットでそれなりに人気のある猫ブログで発見した事実を、こっそりと書き込ませていただきます。
「みねこ」は香港の街角に数多棲息しております。香港では全く一般的な猫のようです。おまえ、もしかして香港製造か? 横浜で保護されたみねこの来し方を探る方策はないのですが、そして今のみねこにそれはまったく関わりのないことではあるのですが、いろいろと思いを馳せてしまうのは、ダメな飼い主の性なのか。
全く記憶に留めていないみねこから、聞き出す術もありませんが、そんなこと例えできてもしない気が致しますが、ついつい楽しみながら、柄にもなく切ない気持ちになったりしております。

そんなみねこはたった三ヶ月のうちに三軒もの動物病院を渡り歩きました。初回の経緯はすでに書きましたが、同じ症状が一月ちょっとで再発をし、うーむ。やはり行き慣れているところのほうがいいなと、ちょっと離れているのですが灰色チンチラおやじ、ウィンホンの主治医さんにおまかせすることに。
ここはご夫婦で経営されてる病院で、どうやら外科は院長でもある男性医師、内科は女性医師と緩やかな分担があるようです。そして、みねこのハナタレはどう見ても内科領分なのですが、そもそも私の担当が院長と決まっているらしく、なんだか効き目薄そうな処方をされてしまい。
もしかして猫苦手ですか、院長。それに、あきらかに睡眠足りてませんよ。いつも通り不機嫌顔のみねこは、やっぱり不機嫌なまま体重計にのっておりました。
三・八キロか。小柄な猫ちゃんですとは言えまいなあ。
改築工事中の病院で、みねこ重いよあんた。少々不安な心持とキャリーのくいこむ肩を抱え、立ち尽くしてしまいました。なんだか、改善のないままというか悪化してますか? 一週間後の再診へ。
糞便検査用の採便をすっかり忘れ、目的の半分は果たせないまま連れ合いにみねこを託しました。私が行かなかったのがよかったのか、今度は副院長に診察をしてもらえたようで「すごくわかりやすく説明された。診察も丁寧だったし」と連れ合いはほくほくです。
やっぱりなあ。普段不機嫌そうなみねこも、診察台の上でご満悦になっていたようで「あんなおっとりした顔のみねこ初めて見た」それは、それで問題では。
処方も全く変わっており、無事一週間の投薬で洟垂れも興奮時のゼイ鳴もなくなり、心置きなくひも付き毛玉おもちゃでみねこを後方宙返り着地ミス状態にできました。
ヘルペス持ちである可能性がかなり高いらしいみねこは、生涯洟垂れとの関係は切れなそうではあるのですが。いや増す破壊力も、もういくらでも来いという気持ちではあります。


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