この小説が気になる:232Pt

むらさきひめ
小説ページ

【作者】
ハデス
書き出し100文字orあらすじ紹介

 しきめーる、それは自殺志願者が送ることにより「死姫」が迎えに来るという都市伝説だった。受験に苦しむとある少年は、気まぐれから手を出してしまう。あやかしの少女「しき」が紡ぐ、優しく、哀しいホラー風味幻想譚。 コンプティーク2015年7月号で、作品紹介されました!

小説のジャンル:現代小説

作者のお気に入り紹介/読書遍歴

神様のいない日曜日

作者から読者さんへメッセージ

 見上げる空は、一面の灰色でした。
 あの分厚い雲の向こうには、いつか見た青い空が広がっているのでしょうか?
 まわりは、鉛色の石が敷き詰める川原でした。
 こうやって、拾い集めた小石を積み上げていけば、いつかは空にも届くのでしょうか?
 突き立った真っ白い風車達は、まるで無数の墓標でした。
 冷たい風を受けて、回っています。
 くる、くる、くる……と。物寂しく回ります。
 囁くように、物哀しく回ります。

 ふと。
 轟、と一際強く。
 風が、吹き抜けました。
 肩までかかるわたしの黒髪が、大きく舞って、ほんの一瞬だけ視界を遮りました。
 ああ……また、ひとつ。
 声が、届きました。
 いつものように。
 いつかのように。
 
 ――誰かの声が、わたしに届きました。

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投稿日:2015年06月19日
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