書き出し100文字orあらすじ紹介 |
「ぜんぶ、消えちゃえばいいのにね。」 小さくて冷たい手がぼくの頬に触れる。 熱い液体が彼女の手にぽたりと落ちる。 ぽたり、 ぽたり。 「消してあげようか?」 「え…?」 周りが見えなくなる位の大雨が 真っ赤な傘の下に、小さな2人だけをのこした。 彼女がぼくに微笑む。 ぼくだけに微笑む。 「嫌なやつぜんぶ。そしたら源ちゃん、もう悲しくならないでしょ?」 「でも…消すって…」 「殺すんだよ。」 |
作者のお気に入り紹介/読書遍歴 |
夏目漱石 |
作者から読者さんへメッセージ |