投稿日09/20 11:12
「胃・食・獣」
レグルス
「好きな食べ物は何ですか?」と質問されると、いつも困ってしまう。質問してる側は、別に僕の好きな食べ物を知りたくて仕方ない訳ではないんだろう。話題がないために、特に意識もせずに喋っているのだ。天気を話題に出すのと同じだ。つまりそれは喋る話題がないほど退屈させているということで、若干申し訳ない気持ちにもなるのだが。
僕は食に対して関心がない。一応、好き嫌いはあるのだが、「その食べ物が本当に好きなのか?」と聞かれると怪しい。好きだから選んでいるというより、食べれるから選んでいるという節がある。
先程も書いたが、人並みの好き嫌いはある。肉も好きだしカレーも好きだしジャンクフードも甘いお菓子も好きだ。逆に、ブロッコリーなんて小型の森みたいな姿をして水分をしこたま含んでいるのが気持ち悪いし、納豆なんて最初に食べようと思った奴に対して憤りさえ覚える。臭いし糸を引いている色の悪い豆を何故食べようと思ったのか。狂っている。日本が狂っていた時代にできた食べ物なのだと思う。きっとマッドサイエンティストみたいな奴が不気味な笑みを浮かべながら作ったのだ。
そうやって狂った食べ物を避けて生活しているのだが、好きな食べ物に対して「お腹いっぱい食べたい!」と思うことは一切ない。「好きだ」と書いた上記の食べ物に関しても、「好きな食べ物は?」と聞かれたときに答えようとは思わないのだ。
どうせ食べるなら自分の好きなものがいいけれど、食べなくていいなら何もいらない。これが結論だと思う。食への意識が低いのだ。例えば錠剤ひとつで一日の栄養とエネルギーを補えるようなものがあれば、僕はそれで済ますと思う。あとは一日三食とか関係なく、「あ、あれを食べたいな」と思ったときに食べればいい。そういうものの開発が待たれる。
もしくは僕が食物の摂取による栄養補給を必要としない体になればいいので、不気味な笑みを浮かべたマッドサイエンティストみたいな奴に改造されようと思う。
2012.9.20 レグルス
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