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青ざめ
By 竜門勇気
10-24 17:36


日によって
蛙の鳴く音を頼りに
家路を探して
骨軋む音を頼りに
存在証明を騙して

見ようによれば
妙なイライラもさいならさと
ありきたりな互換に沈む
沈む俺 昇る日
解けないまま
家にたどり着けないまま
道に電信柱に
他人の屋根に
青ざめが落ちていく
青ざめて闇に消えていく

それによって
俺の靴底は世界を捉えた
万事休すも何のその
真夜中に後ろから
ナマクラメクラに
殴り殺される気分
イメージが
ビルの間を横切った
そいつの顔が
誰かに見えただけ
誰かに見えただけ

歯車の間で熱が生まれていく
人がそれぞれ違うのは
きっとその為だと
怒りも腐りも
胸を張って俺を苛んだ

ここに戻って
何か探してみようか
見繕われた記憶
喋ってて気づく過去
フルタイム四駆の如く
削り取られて楽しむ

露光にもじって
水かさに混じりゆく肥沃
三つ数える余裕もなく
喋ってて気づく記憶
狂った犬の御託
寝ずに乾いて楽しむ

今日を以て
蛙の鳴くに任せた
歩くも伏せるも
青ざめに身を落とすだけだから
それによって
感じるを無くすに留めた
ラウドスピーカーの
末端で黙るまま
俺が沈み 日が昇る

青ざめに身を落とす
青ざめに身を
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