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思い出して泣くようなそんな気分だ
By 竜門勇気
05-29 00:27


一人になったならすべき事があり過ぎてる
テリトリーは標題に忠実だ
全てのカラーテレビの黒い枠に
冷たいアセトン溶液を塗って
乾いてく青い雲を
赤みを帯びた影を
手にとって黙りこくる

そうやって僕は
夢を見る前にしたことを
思い出して書き留めたよ
こうやって君を
抱きしめるチャンスを一つ
果ての見えないどっかに流したよ

思い出して泣くような
こめかみの辺りから
僕を殴り倒しにくる
あの鈍い悲しさが
ぎらぎら光ってる

誰かが喋ってて
誰かがやってきて 去ってった
そして
ポケットに手を突っ込んだ僕は
あの悲しさに
殴り飛ばされたよ
起き上がれない夕暮れ
夜更けに脅し寝付かされる
平坦な悲劇の幕
破けてこぼれて
ただ下を向いて
黄色っぽい
苦いゲロを吐いてた

何のための生活なんだろう
僕はなにをしてるんだろう
すべき事があり過ぎてる
そんな嘘を
誰かが喋ってた
本当だったのかもしれない
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