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あっちへいく/こっちへいく
By 竜門勇気
06-28 11:24
ある日
僕はギターをやめた
赤信号を何回も見すぎたんだ
クラッチが頭に繋がってたんだ
夜がいつまでも
部屋の片隅に残ってたんだ
だから
あの車は動いてる？
この道は戻りながら
ねじれてる？
これどっちの手だろう
対向車線が僕を追い越して
酷い夢を踏み消して
誰かが笑ってすぐに消え去った
静かな、景色、一人
ある日
僕は音楽を聴かなくなった
喋りながら黙ったり
歩きながら留まれたり
そういうことが好きだった
ブロック塀 猫、ケムリ
津波みたいに崩れ落ちてくる
そして瞬きをすると
みんな別人になってしまう
瞼の裏を見ている時間って
僕だけが死んでるんだろうか
つまり、瞬きは悲しい
悲しいことが
毎日無感情に繰り返されてんだ
いつ気づくんだろう
多分気づかないんだろう
もう、僕は
誰かに憧れていたくなかった
もう、僕は
何かに癒されていたくはなかった
もう、僕は
おしまいだ
多分、僕は
瞼の裏を見ている時間
ブロック塀と猫とケムリが
崩れ落ちている間
もう、僕はおしまいだ！
そう言って瞼を開けたり
あっちへ逃げたり
こっちへ逃げたり
繰り返してるんだろう
あっちへいく/こっちへいく
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